胚移植および人工授精における栄養膜小胞を利用した受胎率向上技術

タイトル 胚移植および人工授精における栄養膜小胞を利用した受胎率向上技術
担当機関 福岡農総試
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2007
要約 性判別体外胚の移植時に、栄養膜小胞を共移植すると受胎率向上が期待できる。また、長期不受胎牛の人工授精後に栄養膜小胞を子宮内に注入すると、受胎率向上が期待できる。
キーワード 牛、栄養膜小胞、性判別胚移植、長期不受胎牛、人工授精、受胎率
背景・ねらい 繁殖成績は経営に大きく影響するため、胚移植や人工授精での受胎率向上は必須である。性判別体外胚移植は、希望する性別の産子が得られ経済的利用価値が高いが、受胎率が低い傾向にある。また、人工授精では、不受胎を繰り返す長期不受胎牛が問題である。
受胎には、子宮内で胚が分泌する妊娠認識物質を母胎側が認識する必要がある。栄養膜小胞は、胚と同じ妊娠認識物質を分泌するため、胚と母胎間の妊娠認識の補強による受胎率向上が期待できる。
そこで、性判別体外胚移植における栄養膜小胞の共移植および、長期不受胎牛への栄養膜小胞の子宮内注入による人工授精での受胎率向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 性判別体外胚の新鮮移植(1胚・2胚)において、体外培養により作出した栄養膜小胞を2~3個共移植しても受胎率は変わらないが、5個共移植すると受胎率の改善がみられる(図1、表1)。
  2. 発情周期や直腸検査での所見に異常が認められない長期不受胎牛の人工授精において、人工授精後5~8日目に栄養膜小胞を子宮内へ注入すると受胎率の改善傾向がみられる(図1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 胚移植あるいは人工授精における受胎率向上のための手法として、胚生産機関および胚移植、人工授精を行う診療所等で利用できる。
  2. 栄養膜小胞の体外培養での作出および現場での利用に際しての衛生管理については、胚移植と同様の方法で取り扱う。

図表1 223409-1.jpg
カテゴリ 経営管理 受胎率向上 繁殖性改善

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