採光性牛舎におけるふん尿と敷料混合物の発酵特性

タイトル 採光性牛舎におけるふん尿と敷料混合物の発酵特性
担当機関 鹿児島農総センター
研究期間 2004~2005
研究担当者
発行年度 2007
要約 牛床においてふん尿と敷料の混合物を飼養中に発酵・乾燥させ、除ふん作業を省力化すると考えられていた採光性牛舎牛床のふん尿と敷料の混合物は、高温発酵しておらず、一般の牛ふん堆肥と比較しカリウム濃度が非常に高い。
キーワード 採光性牛舎、敷料、堆肥化、カリウム濃度
背景・ねらい 鹿児島県では除ふん作業を省力化したフリーバーン式の牛舎(以下「採光性牛舎」という)が注目を集め、平成12年から平成18年の7年間で200棟以上も建設されている。毎日の除ふん作業を必要としないことから高齢の子牛生産者が建設する例が多い。
採光性牛舎とは肉用繁殖牛の飼養中にそのふん尿と敷料の混合物を牛舎内で発酵させ、ボロ出し後の堆肥化処理を省略する方式であり、当該発酵物は直接飼料畑へ施用する例が見られるが、その品質等に関する具体的な検討が行われていない。そこで、発酵物の水分、発酵温度、腐熟度、肥料成分等を調査し、その品質等を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 採光性牛舎の牛床の発酵物の水分は夏から冬にかけて40%~70%の間で推移し、発酵物は牛の踏圧で非常に硬くなり好気状態にはなっていない(図1)。
  2. 採光性牛舎の牛床温度は年間通じて5℃~35℃の間で推移し(図2)、高温発酵が確認できず、飼料畑への雑草の侵入や病原菌の残存が懸念されるうえ、未熟及び中熟である(図3)。別途堆肥化施設にて十分に堆肥化を行ったうえ、耕地へ施用する必要がある。
  3. 採光性牛舎の牛床の肥料成分はカリウム濃度が非常に高く、一般の牛ふん堆肥とは大きく成分比が異なり、採光性牛舎牛床を堆肥化した際はさらに堆肥中のカリウム濃度が上昇することが考えられる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 採光性牛舎を導入した農家及び導入を希望する農家の参考とする。
  2. 採光性牛舎から生産される堆肥は、一般の堆肥に比べてカリウム濃度が高いので、肥料成分を把握し、さらに、土壌分析も併用した施肥設計を行うことが望ましい。
図表1 223416-1.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 乾燥 雑草 省力化 除ふん 施肥 繁殖性改善

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