ブドウ黄緑系品種「ロザリオビアンコ」の環状はく皮による熟期促進

タイトル ブドウ黄緑系品種「ロザリオビアンコ」の環状はく皮による熟期促進
担当機関 佐賀果樹試
研究期間 2005~2010
研究担当者
発行年度 2007
要約 「ロザリオビアンコ」は、開花35日後頃に主幹部に幅2~3cmの環状はく皮処理を行うと糖度の上昇と減酸が早くなり果皮の退色がすすみ、7~10日程度熟期が促進され早期収穫が可能となる。
キーワード ブドウ、ロザリオビアンコ、環状はく皮、熟期促進
背景・ねらい 佐賀県は「巨峰」中心の産地であるが、花振るいや着色不良などにより生産が不安定である。このため新品種の導入による産地振興がすすめられ、黒色系、赤色系、黄緑系品種を組み合わせた新たな販売方法が検討されている。黄緑系ブドウ「ロザリオビアンコ」は実止まり良好で食味が優れた有望品種であり、県内でも施設栽培で一部導入されているが、熟期が遅いため「巨峰」、「ピオーネ」や「安芸クイーン」などとのセット販売を行うには熟期促進が課題である。そこで、環状はく皮処理による早熟化技術を確立することで新規導入を促進し、新たな販売方法の確立とブドウ産地の活性化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 開花35日後頃に主幹部に幅2~3cmの環状はく皮処理をすると、糖度は処理後急激に高くなり、収穫期まで高く推移する。酸度は、処理後減少し、収穫期まで低い(図3)。
  2. 環状はく皮処理をすると収穫時の糖度が高く、酸度が低くなり、食味が良好となる。果皮色は緑色が薄くなり黄緑色となる。一粒重や果房重への影響はない(表1、図4)。
  3. 環状はく皮処理をすると品質が向上して早期収穫が可能となる。糖度18%、酸度0.6%を出荷基準とすると熟期促進効果は7~10日程度である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ハウス栽培「ロザリオビアンコ」において熟期促進技術として活用できる。
  2. 環状はく皮は主幹部の棚下30~50cmの位置に幅2~3cmで処理する(図1、図2)。
  3. 環状はく皮は樹勢低下の恐れがあるので樹勢が弱い樹には処理をしない。
  4. はく皮部は約1ヶ月で癒合が完了するが、癒合が不完全であったり、害虫による食害をうけると樹勢低下の恐れがある。
  5. はく皮部はスカシバ類、コウモリガの食害に注意し、必要に応じて殺虫剤を散布する。
  6. 着果過多は品質低下を招く大きな要因であり、環状はく皮の効果も劣るので必ず適正着果量(1.5~2.0t/10a)を守る。

図表1 223431-1.jpg
図表2 223431-2.jpg
図表3 223431-3.jpg
カテゴリ 害虫 施設栽培 出荷調整 新品種 品種 ぶどう 良食味

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