タイトル |
雨よけニガウリ栽培における早期多収のための誘引・仕立て方法 |
担当機関 |
大分農林水産研野茶 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
雨よけニガウリ栽培では、垂直面横誘引で主枝の仕立て本数を5本/株、初期の栽植密度を500株/10aとすると、収穫初期(5~6月)の収量が最も高い。また慣行の誘引・仕立て方法と比べても収穫初期の商品果収量が高く、主枝1本あたりの商品果収量も高い。
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キーワード |
ニガウリ、雨よけ栽培、誘引・仕立て方法、初期収量向上
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背景・ねらい |
雨よけ栽培のニガウリでは5~6月が高単価のため、初期収量向上技術が求められている。そこで、初期収量向上のため誘引方法の改善、主枝本数および栽植密度の検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 垂直面横誘引は、親蔓摘心後に伸びてきた子蔓を主枝とし、各段の誘引線上に主枝を分けて横方向に誘引していく方法である(図1)。着果は主枝のみとし、主枝から出る側枝はすべて除去する。
- 垂直面横誘引の場合、収穫期間を通しての商品果収量は主枝本数1000本/10a(主枝5本/株、栽植密度200株/10a)と1250本/10a(主枝5本/株、栽植密度250株/10a)では約6t/10aと同程度であるが、6月の商品果収量は1250本/10aのほうが24%高い(図2)。
- 初期の栽植密度を500株/10a(主枝5本/株、主枝本数2500本/10a)にすると250株/10a(主枝5本/株、主枝本数1250本/10a)に比べ5~6月の商品果収量が47%増加する(図2)。
- 収穫期間を通しての商品果収量は垂直面横誘引と慣行の誘引・仕立て方法(棚誘引、初期の主枝4本/株)いずれも約8t/10aであり、誘引・仕立て方法による違いは見られない。垂直面横誘引は棚誘引に比べ初期の主枝本数が1本/株多く、垂直面横誘引のほうが5~6月の商品果収量は47%、主枝1本あたりの商品果収量は18%高い(図2)。
- 5~6月の販売額の試算では、垂直面横誘引で103万円/10a、棚誘引で70万円/10aであり、棚誘引よりも垂直面横誘引のほうが5割高い(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 垂直面横誘引は3月下旬定植の雨よけ栽培に適する。
- 定植直後の低温時期は不織布等でトンネル被覆し保温する。
- 栽植密度が500株/10aの場合は茎葉が繁茂するので、7月以降に株数を半数に間引くとよい。
- 垂直面横誘引では、整枝・誘引作業が棚誘引に比べ煩雑になる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
栽培技術
収量向上
にがうり
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