タイトル |
過熱水蒸気等の新しい熱源を用いた茶殺青機 |
担当機関 |
鹿児島農総セ |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
過熱水蒸気や加湿熱風を熱源とする殺青機を開発した。これにより釜炒り茶製造における炒り葉機の処理能力が従来の3倍以上に向上する。さらに煎茶、深蒸し茶、蒸し製玉緑茶など多様な茶種の製造に応用できる。
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キーワード |
チャ、過熱水蒸気、加湿熱風、殺青機、釜炒り茶
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背景・ねらい |
消費需要の多様化に対応した茶種の生産が求められるなかで、過熱水蒸気は100℃の飽和水蒸気を常圧でさらに昇温したものであり、熱容量は飽和水蒸気に比べて大きく,殺青と乾燥を同時に行えるため茶製造への応用が期待できる。そこで、過熱水蒸気・加湿熱風等の新しい熱源を利用し、従来の蒸し製煎茶ライン(生葉処理量120kg/h相当の製造ライン)への連結を想定した殺青装置を開発し、多様な茶種に応じた製茶法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 過熱水蒸気は100℃の飽和水蒸気を常圧でさらに加熱昇温したもの、加湿熱風は過熱水蒸気に加熱火炉から排出される燃焼ガスを混合したものであり、本殺青機は最高500℃まで昇温できる。
- 従来の炒り葉機は、殺青胴からの伝熱だけが熱源であり、熱量不足のため生葉処理量が少なく(70kg/h)、また排蒸気量の調整が難しく品質が不安定であった。本殺青機では、過熱水蒸気を利用することでムラなく迅速に殺青できるため品質が安定し、さらに豊富な熱量により、釜炒り茶を製造する場合、従来の炒り葉機処理能力に比べると約3倍の250kg/hである(図1、図2)。
- 殺青方式には過熱水蒸気方式と加湿熱風方式があり、製造したい茶種によって使い分けができる(図2)。
- 本殺青機によって、釜炒り風が製造できるだけでなく、蒸し製についても胴傾斜角度の調整により、普通蒸し風から深蒸し風まで幅広い蒸し度に対応できる(表1)。
- 本殺青機では、殺青と同時に水分減も生じることから、機械洗浄作業の軽減、製茶歩留まりの向上、濡れ葉等の品質改善が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本殺青機の名称は炒蒸機であり、カワサキ機工(株)との共同開発である。
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図表1 |
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カテゴリ |
乾燥
茶
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