無人ヘリ散布時の薬液落下分散とイネウンカ類に対する防除効果

タイトル 無人ヘリ散布時の薬液落下分散とイネウンカ類に対する防除効果
担当機関 大分農林水産研安全
研究期間 2006~2006
研究担当者
発行年度 2007
要約 無人ヘリ防除では、株元への薬剤散布液の到達量は草冠部より少ないが、セジロウンカ、トビイロウンカに対する防除効果が認められる。株元への薬液の到達量、防除効果ともに出穂前後、散布時刻で大きな差は認められない。
キーワード トビイロウンカ、セジロウンカ、無人ヘリ、出穂、散布時刻、防除効果
背景・ねらい 2005年のトビイロウンカ多発年には坪枯れが発生した圃場があり,無人ヘリ防除のイネウンカ類に対する防除効果に疑問がある。水稲作の省力化が推進されるなかで、無人ヘリ防除については防除効果が高い薬剤の登録や飛行基準が設定されているものの、株元への薬剤の到達,日中や出穂後に散布することによる防除効果への影響等の多様な現場の状況下で発生する疑問点を説明するためのデータが不足している。そこで、無人ヘリ防除における散布薬剤の出穂前後別,散布時刻別の薬剤の落下分散,およびイネウンカ類に対する防除効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 無人ヘリ散布時の薬液の落下分散調査において、飛行基準である風速3m以下の時間帯である8月16日におけるブプロフェジンの付着量は、夕刻と日中の比で、草冠部92.7%、株元48.0%、出穂前後の比で、草冠部235.6%、株元240.0%と付着量に大きな差異は認めらない(表1)。
  2. 落下分散調査において、草冠部にはいずれの区もほぼ均一に薬液の付着が認められたものの、草冠部と地際部との比が8月16日の夕刻散布で8.6%、日中散布で16.7%、9月1日の夕刻散布で11.8%であり、地際部の付着量は少ない(表1)。
  3. セジロウンカについては、防除効果が認められたのは補正密度指数の推移から散布7日後頃までと考えられる。出穂前散布の場合、散布7日後の補正密度指数は無人ヘリでは11~13、動力噴霧機では15.9、出穂後散布の場合、無人ヘリでは18~50、動噴では33である(表2)。
  4. トビイロウンカについては、密度抑制効果が認められたのは補正密度指数の推移から散布7日後頃までと考えられる。出穂前散布の場合、散布7日後の補正密度指数は無人ヘリでは24~37、動力噴霧機では15であり、出穂後散布の場合、無人ヘリでは12~15、動力噴霧機では37である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 多様な条件下における無人ヘリによるイネウンカ類に対する防除効果は、今後行われる同様な試験結果と併せて総合的に判断する必要がある。
  2. 株元へのブプロフェジンの到達が不十分にもかかわらずイネウンカ類に対する防除効果が認められた点については、無人ヘリからイネ体への直接的な落下以外の経路で有効成分がイネ体に到達した可能性があるため、今後検討が必要である。

図表1 223496-1.jpg
カテゴリ 病害虫 省力化 防除 薬剤

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