タイトル |
おからおよび焼酎粕を原料とする融合コンポストの製造および特性 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
おからと木材チップおよび牛ふんを原料にした融合コンポストは炭素率は9.0で焼酎粕を原料にしたものは炭素率10.6~11.3でいずれも発芽率は100%である。また前者は大豆に対して慣行栽培以上、後者は水稲に対して慣行栽培とほぼ同等の施用効果を示す。
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キーワード |
融合コンポスト、おから、焼酎粕、大豆、水稲
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背景・ねらい |
おからや焼酎粕は肥料成分が豊富でありながら水分含量が高いためにこれまで廃棄物として処理されてきたが、有機質資源として見直され、その有効利用が強く求められている。 これらをリサイクル利用するために、麦わらや木材チップなどと混合して堆肥化する融合コンポストの製造技術を開発する。また水稲および大豆の収量に対する融合コンポストの施用効果について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 製造過程において、原料がおからの場合、切り返しを12回行い、209日堆積すると炭素率7.4~9.0のものができる。原料が焼酎粕の場合、切り返しを8回行い、182日堆積すると炭素率10.6~11.3のものができる。そのときの発芽率はおから、木材チップ、牛ふんの組合せおよび焼酎粕を原料とする組合せでは100%、おから、麦わら、牛ふんの組合せでは96%である(表1、表2)。
- 1ヶ月後の培養による窒素無機化率は、おから、麦わら、牛ふんの組合せでは60%、おから、木材チップ、牛ふんの組合せでは40%、焼酎粕を原料とする組合せでは30%である(図1)。
- 大豆の収量は慣行の化学肥料施肥に比べて、おから、木材チップ、牛ふんの組合せでは増収となる。おから、麦わら、牛ふんの組合せでは慣行の化学肥料施肥とほぼ同等となる。水稲の収量および検査等級は、焼酎粕、麦わら、牛ふんの組合せおよび焼酎粕、木材チップ、牛ふんの組合せでは慣行の化学肥料施肥とほぼ同等となる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 原料の焼酎粕は米焼酎製造過程で排出されるものを用いる。
- 融合コンポストの製造過程において、切り返しは2~3週間に一度の頻度で行い、水分は60~70%を目安として加水により調節する。
- 大豆は品種フクユタカ、水稲は品種ヒノヒカリを用いた黒ボク土における圃場試験の結果である。
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図表1 |
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カテゴリ |
肥料
水稲
施肥
大豆
品種
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