タイトル |
緩効性窒素肥料を利用したキャベツ栽培黒ボク畑の亜酸化窒素発生低減 |
担当機関 |
熊本県農業研究センター |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
黒ボク畑におけるキャベツ栽培において、緩効性窒素肥料を6月収穫の春作では慣行施肥窒素量より2割減肥、11月収穫の秋作では4割減肥して全量基肥施用することにより、収量は慣行施肥体系とほぼ同等の収量が得られる。さらに、ほ場から発生する亜酸化窒素量を春作では32%、秋作では64%、年間では45%削減することができる。
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キーワード |
緩効性窒素肥料、亜酸化窒素、黒ボク、露地キャベツ
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背景・ねらい |
黒ボク畑におけるキャベツ栽培において、栽培期間中ほ場から発生する温室効果ガスは、6月収穫の春作においては収穫後の外葉等キャベツ残渣鋤込み後に、11月収穫の秋作においては基肥施用後に多く発生する(2003年および2005年九州沖縄農業生産環境部会成果情報)。そこで、ほ場から発生する亜酸化窒素を低減するため、肥効調節型肥料の一種である緩効性窒素肥料を利用した効果的な施肥法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 亜酸化窒素の発生は春作栽培では収穫後に多く、秋作栽培では基肥施用後に多いが、いずれにおいても化学肥料(24kgN/10a)に比べて、緩効性窒素肥料を施用した場合は亜酸化窒素の発生は少ない(図1)。
- 緩効性窒素肥料を化学肥料区の窒素量より2割減肥(19.2kgN/10a)して施肥した場合、基肥施肥から次作の基肥施肥までの期間に発生する亜酸化窒素量は化学肥料区より春作は32%、秋作は30%減少する。また、4割減肥(14.4kgN/10a)では春作で48%、秋作で64%減少する(図2)。
- 緩効性窒素肥料を化学肥料施肥窒素量と同量あるいは2割減肥して施用した場合、作型によらずキャベツ収量は化学肥料とほぼ同等の収量が得られるが、4割減肥した場合は春作では減収する(図3)。
- 春作では緩効性窒素肥料を2割減肥、秋作では4割減肥する施肥体系によって、安定した収量を確保し、亜酸化窒素年間発生量を45%削減することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 緩効性窒素肥料は微生物分解型の窒素溶出日数100日タイプの市販品である。
- 緩効性窒素肥料は化学肥料と同量の24kg/10aを基準とし、基肥時に全量を全面全層施肥する。
- キャベツ品種は麗峰1号である。
- 収穫後の外葉等キャベツ残渣は、全量ほ場内に鋤き込む。
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図表1 |
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カテゴリ |
肥料
キャベツ
施肥
春作
品種
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