パインアップル果皮を原料とした酢の製造法と成分特性

タイトル パインアップル果皮を原料とした酢の製造法と成分特性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2005~2006
研究担当者
発行年度 2007
要約 パインアップル果皮搾汁液を酢酸発酵した酢は、有機酸として酢酸以外にクエン酸、乳酸、糖成分としてフラクトース、グルコース、スクロースを含み飲みやすい酢である。米酢や穀物酢に比較してラジカル消去能が高い。
背景・ねらい 国産の果実類の中でもパインアップルの生産は沖縄県が独占しており、年間12,000トンの生産量で、生果用出荷の規格外果実やパイン缶詰などの加工過程で廃棄される果皮などの残渣物は、年間約2,000トン以上にも及ぶ。残渣は一部家畜飼料として利用されているが、大部分は廃棄されている。そこで、パインアップル果皮廃棄物の有効利用の一環として、果皮搾汁液からのパインアップル酢の製造法開発と成分特性について明らかにする.
成果の内容・特徴
  1. パインアップル酢の製造法は、果皮を搾汁して得られる搾汁液を殺菌後、エタノール(終濃度5.5%)及び酢酸菌を添加して静置培養する(図1)。果皮搾汁液は特有の臭いがあるが、酢酸発酵によりこの臭いは消失し、酢はパインアップル特有の香りがある。
  2. 市販の酢の有機酸は酢酸が主成分(もろみ酢はクエン酸)であるが,パインアップル酢は酢酸の他にクエン酸、乳酸を含有する。糖成分としてフルクトース、グルコース、スクロースを含んでいる(図2)。これらの成分がパインアップル酢を飲みやすくしていると推察される。
  3. パインアップル酢のポリフェノール含量は市販の酢と比較して中程度であり、DPPH-ラジカル消去能は黒酢に次ぐ高さを示す(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 得られた成果は沖縄のパインアップル加工企業で実用化されており、酢はトロピカル飲料の原料として用いられている。また、当酢はその他、ドレッシング等の調味酢としても利用できる。
  2. 酢の原料はN67-10というパインアップル品種の果皮であり、品種により発酵条件が異なることは留意すべきである。
  3. パイン果皮の搾汁により、残渣を重量の約半分に減らすことが可能となる。

図表1 223529-1.jpg
カテゴリ 加工 出荷調整 品種

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