タイトル |
青果用サツマイモ「ベニサツマ」の食味(甘さ)に及ぼす増肥の効果 |
担当機関 |
鹿児島農加セ |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
いものβ-アミラーゼ活性が高いとマルトース含量が増加し、食味(甘さ)が向上する。施肥量が増加するとβ-アミラーゼ活性は高まる。また、生いものでん粉含量が高いと蒸しいものマルトース含量が増加する。
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キーワード |
サツマイモ、β-アミラーゼ活性、マルトース含量、食味、でん粉含量
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背景・ねらい |
「ベニサツマ」は鹿児島県の青果用サツマイモの主要品種で、これまでの外観品質に加え、近年良食味へのニーズが高まっている。いものおいしさ(食味)には、甘さ、うまみ、食感、香りなど多くの要因が関与しているが、外観品質に関する試験に比べて食味に関する試験の事例は少ない。そこで、食味に関与する要因のうち、食味への影響が大きい「甘さ」に関与する要因をいもの内容成分と施肥量から解析する。
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成果の内容・特徴 |
- 生いものβ-アミラーゼ活性が高いほど蒸しいものマルトース含量が増加する。しかし、β-アミラーゼ活性がおおむね1,000~1,500units/ml以上ではマルトース含量の増加は小さく、マルトース含量への影響は小さくなる(図1)。
- 生いものでん粉含量が高いほど蒸しいものマルトース含量が増加する(図2)。
- β-アミラーゼ活性は施肥量が多いほど高くなる。また、同じ施肥量でも土壌の種類など栽培条件により、β-アミラーゼ活性の差が大きい。マルトース含量に影響を及ぼすβ-アミラーゼ活性から推察される食味向上のための施肥量は、黒ボク土では窒素0.4~0.8kg/a、地力の低い黒ボク+赤ホヤ混層土では窒素0.8kg/a程度である(図3)。
- 生いものでん粉含量と施肥量との関係は、黒ボク土壌では判然としないが、地力の低い黒ボク+赤ホヤ混層土壌では施肥量の増加に伴いでん粉含量は増加する。でん粉含量は、土壌の種類別では、黒ボク土壌が黒ボク+赤ホヤ混層土壌より高い(図3)。
- 施肥増により、いものβ-アミラーゼ活性が高まり、マルトース含量が増加し、いもが甘くなる。特に、地力の低い土壌では、増肥により、β-アミラーゼ活性が高まるだけでなく、でん粉含量が増加することから、食味(甘さ)が向上する(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は、鹿児島県のベニサツマに対する標準施肥量を、食味向上の観点から見直す場合の参考として活用できる。
- ベニサツマの食味向上には、多施肥が有効であるが、その際は、土壌の種類や前作などで異なるほ場の窒素レベルに注意する。
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図表1 |
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カテゴリ |
馬
栽培条件
施肥
品種
良食味
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