タイトル |
多収で収穫しやすいサトウキビ新品種候補「KR96-93」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
1995~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
「KR96-93」は、沖縄県宮古地域での夏植え栽培において、1茎重、原料茎重が大きく、可製糖量が多い。葉焼け病に強く、脱葉性が良好で収穫しやすい。
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キーワード |
サトウキビ、多収、夏植え、宮古地域、脱葉性
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背景・ねらい |
宮古地域では夏植え中心のサトウキビ栽培が実施され、その多くは手刈り収穫されている。ここで最大の栽培面積を有する「宮古1号」は、難脱葉性で側枝も発生するため収穫に労力を要し、作業量の増大を通じてコスト高を招いている。また、葉焼け病が多発することから、病害の発生原因となっていることが問題視されている。このため、収量および品質が「宮古1号」と同等以上で、脱葉性が良くて収穫し易く、葉焼病に抵抗性を有する品種の開発が求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 「KR96-93」は、「NiF8」を種子親、「RF79-247」を花粉親として得た種子を1996年に実生選抜に供試して以降、収量性と高糖性を重視して選抜した系統である(表1)。
- 宮古島における夏植えでは、甘蔗糖度が「宮古1号」と同等以上で、原料茎重が大きく、可製糖量が多い。春植えおよび株出しにおいても同様に「宮古1号」より多収である。
- 脱葉性は「NiF8」と同等な“易”と優れており「NiF8」同様に手刈り・機械収穫ともに収穫しやすい(表1)。特に、1茎重が大きな偏茎重型で手刈り収穫時の作業効率がよい(表1、図2)。
- 葉焼け病抵抗性は“強”で、他の病害を含めて葉身に発生する病害は少ない(表1、図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 沖縄県宮古地域を対象にした夏植え向け奨励品種として「宮古1号」を置き換え対象に約1000haの普及が見込まれている。
- 春植えでの新植、特に遅い植え付けは、台風による折損が生じる恐れがあるので避ける。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
コスト
さとうきび
新品種
抵抗性
品種
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