離乳子豚へのマンネンタケ培養液給与による免疫機能の活性化

タイトル 離乳子豚へのマンネンタケ培養液給与による免疫機能の活性化
担当機関 熊本県農業研究センター
研究期間 2008~2010
研究担当者
発行年度 2008
要約 4週齢離乳子豚にβグルカンや有機酸等の生理活性物質を含有するマンネンタケ培養液を給与すると、血液中の貪食細胞(好中球と単球)の割合とその貪食能力が高まることで免疫機能が活性化し、離乳後の腸内細菌叢の安定化にも有用である。
キーワード マンネンタケ培養液、離乳子豚、免疫機能、腸内細菌叢、嗜好性
背景・ねらい
    県内の納豆・味噌製造工場で年間約4,000トン排出される大豆煮汁は廃液処理にかかるコストが高い。その大豆煮汁へマンネンタケを接種・培養した後、菌糸体を除去したマンネンタケ培養液には、免疫賦活作用を有するβグルカンや腸内有用菌の増殖を促進し整腸作用を有するフラクトオリゴ糖、有機酸等の生理活性物質が豊富で、食品や飼料等にその活用方法が模索されている。そこで、子豚の育成率向上を目的に、4週齢の離乳子豚にマンネンタケ培養液を給与(4から8週齢までの28日間、給与量100ml/頭/日)して、抗菌性物質の代替としてのマンネンタケ培養液の有効性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 離乳子豚にマンネンタケ培養液を給与しても離乳後の発育には影響しない。
  2. 血液性状(赤血球数、白血球数、ヘマトクリット値およびヘモグロビン量)にもマンネンタケ培養液給与の有無は影響を及ぼさない(表1)。
  3. 白血球百分比において、給与群は非給与群と比較して8週齢で好中球の割合が高く(P0.10)なり、単球の割合も6、8週齢で高い傾向を示す。また、給与群の単球の割合は給与前の4週齢と比較して8週齢で有意に増加(P0.05)し、給与を終了すると元のレベルに低下する(表2)。
  4. 血中貪食細胞の貪食能試験成績において、8週齢時の給与群は非給与群と比較して貪食能が高い傾向(P0.15)を示し、貪食度は有意(P0.05)に高くなることから、マンネンタケ培養液を給与すると免疫機能を活性化させる(表3)。
  5. 6週齢時において、給与群4頭の直腸便からは日和見感染菌のProteus属菌が分離されなかったことから、離乳子豚へのマンネンタケ培養液給与は離乳後の腸内細菌叢を安定化させる。
  6. マンネンタケ培養液の嗜好性は高く、子豚は給餌器のカップから自発的に活発な摂取行動を示す。
成果の活用面・留意点
  1. 生菌剤と同様に、抗菌性物質の代替として活用できる可能性がある。
  2. 白血球百分比と貪食能試験の成績から、免疫機能活性効果を期待するためにはマンネンタケ培養液の給与期間を4週間以上とすることが望ましい。
図表1 223588-1.jpg
図表2 223588-2.jpg
図表3 223588-3.jpg
図表4 223588-4.jpg
カテゴリ くり コスト 生菌剤 大豆

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