イチゴ「さがほのか」のクラウン部冷却と短日処理による夏秋期の連続収穫

タイトル イチゴ「さがほのか」のクラウン部冷却と短日処理による夏秋期の連続収穫
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2006~2009
研究担当者
発行年度 2008
要約 中山間地域でのイチゴ「さがほのか」の高設栽培において、7月上旬の定植後、水温18℃程度の井戸水を用いたクラウン部冷却と、日長8時間の短日処理で、頂果房、第1次および第2次腋果房の出蕾が連続し、8月から12月まで連続して収穫できる。
キーワード イチゴ、さがほのか、クラウン部冷却、短日、連続出蕾、年内収
背景・ねらい
    近年、夏秋イチゴは特に業務用を中心に国内産が求められており、中山間地における夏季冷涼な気象条件を活かした夏秋どりイチゴの生産が期待されている。そこで花芽分化しやすい特性を持つ「さがほのか」を用い、夏秋どりが可能な栽培体系を開発する。
    ここでは、8月から収穫を開始し12月まで連続収穫するため、7月上旬定植での定植後のクラウン部冷却と短日処理の効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 定植日(7月9日)から9月26日まで、平均水温18℃程度の井戸水を通水した鉄管でクラウン部を冷却のみ行い、短日処理を行わない区では、第1次腋果房の花芽分化が遅れ10月中旬を中心として出蕾する株がみられる。また、第2次腋果房は、10月下旬から出蕾する(表1、図1)。
  2. クラウン部冷却に加えて、定植日から8月10日まで8時間日長の短日処理を行った区では、第1次腋果房は8月下旬から、第2次腋果房は9月下旬から出蕾し、果房が連続する(表1、図1、図2)。
  3. 年内収穫は、クラウン部冷却のみの区では、8月下旬から開始し、11月がとぎれるため連続しないが、短日処理を加えた区では、8月下旬から12月下旬まで連続する(表2)。
  4. 年内収穫量は、クラウン部冷却に加えて短日処理を行うことで約4割増加する(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 中山間地域(標高400m以上)における8月収穫開始の作型に活用できる。
  2. 苗は4月上旬から5月中旬に採苗、屋外ベンチ上で育苗し、6月4日から7月8日まで短日処理を行い、頂果房を分化させたものを7月9日に定植した。
  3. 試験は、間口6mの雨よけハウス(天井部遮光率50%遮光ネット被覆)内の高設栽培で行った。
  4. 短日処理は、遮光シート(遮光率100%、表:銀、裏:黒)で栽培槽を覆った(図2)。
  5. 長さ15m、2条植の高設栽培槽において、クラウン部冷却用19mm鉄管に18℃程度の冷水を毎時130リットル通水し、7月から9月の冷却管の表面温度を最高25~26℃程度、平均17~21℃程度に制御した結果である。
  6. 7月から9月の高設栽培群落内の気温(培土表面から高さ20cm)は最高39.1℃、最低15.1℃、平均25.7℃であった。
図表1 223639-1.jpg
図表2 223639-2.jpg
図表3 223639-3.jpg
図表4 223639-4.jpg
カテゴリ 育苗 いちご 栽培技術 栽培体系 中山間地域

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