タイトル |
湛水・陽熱処理がアスパラガスの生育阻害物質の活性に及ぼす影響 |
担当機関 |
佐賀農業セ |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
アスパラガスの根の生育阻害物質は、土壌及び土壌中の水にも存在する。いずれも、長期間湛水と同時に陽熱処理を行うと、生育阻害の程度は大幅に軽減され、その効果は、水及び根に対して大きい。湛水のみの場合は、その軽減程度は小さい。
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キーワード |
アスパラガス、アレロパシー、生育阻害活性、湛水・陽熱処理
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背景・ねらい |
アスパラガスは永年生作物であり、一度定植を行うと長期にわたって収穫可能であるが、10年を経過する頃から次第に収量が低下するため改植する必要がある。しかし、改植を行った圃場では、新植時と比較し、生育が悪く、収量が3割程度減少し、問題となっている。 改植後の生育不良の要因の一つとして、根に含まれるアレロパシー物質の関与が疑われている。そこで、圃場における生育阻害物質の湛水除去を想定して、その処理方法及び期間とアスパラガスの根、土壌、水に含まれる生育阻害物質の活性との関係について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 湛水1週間後の水は、陽熱処理の有無にかかわらず90%以上の幼根伸長阻害を示す。2ヶ月後は、湛水処理のみの水では、約85%の幼根伸長阻害を示すが、湛水・陽熱処理を行うと約30%に軽減される(図2)。
- 湛水処理のみのアスパラガス根は、2ヶ月後も80%程度の強い幼根伸長阻害を示すが、湛水・陽熱処理すると20%程度の幼根伸長阻害に軽減される(図3)。
- 湛水処理のみの土壌は、2ヶ月後、約50%の幼根伸長阻害を示すが、陽熱処理を加えると40%の幼根伸長阻害となる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 幼根伸長阻害程度は、サンドイッチ法を用いたレタスの種子の発芽試験で評価した。
- 試験に用いた水、根、土壌は、クロマトグラフ管φ20mm×300mmに水田土壌を詰め、品種「ウエルカム」10年生株の新鮮根10gを混入し、水道水70ccを加え、湛水処理と湛水プラス陽熱処理を行ったものである(図1)。
- クロマトグラフ管の水は、自然条件での地下浸透を想定し、1週間、1ヶ月、2ヶ月後に全量回収して、再び水を加え、湛水処理の水温は15℃一定とし、湛水・陽熱処理の水温は、最高58℃であった。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
アスパラガス
アレロパシー物質
改植
栽培技術
水田
品種
レタス
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