タイトル |
秋摘み茶生産において「おくみどり」は、多収で収益性が高い |
担当機関 |
大分農研セ |
研究期間 |
2005~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
三番茶摘採不適地域において秋摘み茶生産を行う場合は、多収品種の中でも「おくみどり」が多収で10aあたりの収益性が高い。
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キーワード |
チャ、秋摘み茶、おくみどり、多収、収益性、最終摘採時期
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背景・ねらい |
近年、ドリンク原料向け夏茶生産が行われているが中山間地域においては、その地域の最終摘採時期より遅れて三番茶を摘採すると翌一番茶の収量が低下する。そこで三番茶芽を摘採せずに伸育し、来年度の母枝を確保した後に秋摘み茶生産をおこなう技術が開発されている。本研究は、中山間地域における主要品種において秋摘み茶の収量と収益性について明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 主要5品種(めいりょく、さやまかおり、やぶきた、おくゆたか、おくみどり)は、最終摘採日が遅れるほど翌年の一番茶収量は低下する(図1)。
- 秋摘み茶を生産する方法は、三番茶芽を摘採せずに伸育し8月中旬に二番茶摘採位置から約10cm上で秋摘み整枝を行い(上位1、2芽が秋摘み茶芽になり3、4芽が翌一番茶の冬芽になる)、9月下旬に秋摘み茶を摘採する。秋摘み茶摘採後、慣行の秋整枝時期に二番茶摘採位置から約5cm上げて秋整枝を行う(翌一番茶の冬芽を確保し、秋摘み茶芽を除去する)(図2)。この方法は、翌一番茶の収量の低下は認められない(表1)。
- 秋摘み茶の収量は、「おくみどり」が、多収で収益性が高い(表2)。
- 収量構成要素のうち秋摘み茶収量と相関が高いのは、芽数(相関係数0.993)である。
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成果の活用面・留意点 |
- 三番茶の摘採が、7月下旬になる中山間地に活用できる。
- 三番茶芽の生育を揃え、秋摘み整枝時に切り枝数を多くし、秋摘み茶の芽数が多くなるようにするため、7月、8月に降雨が少ない場合は、潅水を行い樹勢を維持する。
- 秋摘み茶生産を行う場合は、遅くとも8月20日頃までに秋摘み整枝をおこなう。
- 秋摘み整枝が遅れると整枝にかからなかった秋芽が秋摘み茶芽より早く萌芽し、秋摘み茶芽に徒長枝が多く混入して品質が低下する。
- 樹勢が弱まっている場合は、秋摘み茶生産は行わない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
茶
中山間地域
品種
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