タイトル |
秋冬期防霜と薬剤防除を組み合わせたチャ赤焼病の発病抑制技術 |
担当機関 |
鹿児島県農総セ |
研究期間 |
2005~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
トンネル被覆や防霜ファンによる秋冬期の防霜は赤焼病の発生を抑制する。秋冬期の防霜と薬剤防除を組み合わせた発病抑制技術は、赤焼病の発生を要防除水準以下に維持し、一番茶収量の減少を抑える。
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キーワード |
チャ、病害、赤焼病、秋冬期防霜、総合防除
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背景・ねらい |
赤焼病は晩秋から初春期の低温期に発生するが、その発生には低温と氷核活性細菌による葉の凍結が大きく関与しており、秋冬期の気温が低く推移した年度の発生が多いことも示されている。さらに、赤焼病の初発生直後にカスガマイシン・銅水和剤を散布し、その後は銅水和剤を定期的に散布する薬剤散布体系は、赤焼病の発生を抑制できることも示されている。そこで、秋冬期防霜と薬剤防除を組み合わせた防除体系が赤焼病の発生および一番茶収量に及ぼす影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 赤焼病の発生は、同一ほ場内でも秋冬期の最低気温の低い区域で多い(図1)。また、開閉式トンネル被覆および防霜ファンによる秋冬期の防霜は、防霜期間中の赤焼病の発生を抑制する(図1、図2)。
- 秋冬期防霜と防霜終了後の薬剤散布を組み合わせた発病抑制技術は、赤焼病の発生を要防除水準(50枚/m2)以下に維持し(図2)、赤焼病の発生による一番茶減収を著しく抑制する(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 供試品種は「やぶきた」で、試験はいずれも秋整枝後に接種を行って実施した。
- 防霜は、開閉式トンネル被覆では秋整枝後(10月13日)~12月1日、防霜ファンでは秋整枝後(10月16日)~12月30日に実施した。
- トンネル被覆は降霜が予想された日に手動で実施した。防霜ファンの作動開始設定は、10月17日~11月13日までは4℃、11月14日~30日は2℃、12月1日~14日は1℃、12月14日~30日は0℃とし、作動停止温度は開始温度+2℃とした。
- 試験で実施した防霜ファンの電気使用量は約1,200円/10aで、銅水和剤の散布とほぼ同等のコストである。ただし、秋冬期の防霜ファンの使用については、電力会社との契約時間内の使用とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
コスト
茶
品種
防除
薬剤
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