フタオビコヤガの性フェロモントラップによる誘殺消長と本田防除適期との関係

タイトル フタオビコヤガの性フェロモントラップによる誘殺消長と本田防除適期との関係
担当機関 佐賀農業セ
研究期間 2006~2008
研究担当者
発行年度 2008
要約 性フェロモントラップによるフタオビコヤガの誘殺消長は、乾式予察灯と同様に推移する。本田防除適期は、性フェロモントラップにより把握される8月中旬の最多誘殺日から10日後までの間である。
キーワード フタオビコヤガ、性フェロモン、トラップ、誘殺消長、本田防除
背景・ねらい
    近年、九州平坦部の水稲においてフタオビコヤガの被害面積が拡大し、被害程度も激しくなっており、発生予察と防除法の確立が求められている。本種の成虫の発生消長は乾式予察灯によって把握可能であるが(平成18年度九州沖縄農業研究成果情報
    http://konarc.naro.affrc.go.jp/kyushu_seika/2006/2006331.html)、予察灯は大型であり、電源を必要するなど設置場所、設置数に制約を伴う。そこで、畦畔で簡易に本種のみを捕獲する性フェロモントラップを検討し、成虫の誘殺消長と本田防除適期との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 佐賀市平坦部に設置したフタオビコヤガ雄成虫に対する性フェロモントラップ(粘着板SE型)において、初誘殺は3月下旬~4月下旬頃に認められるが、7月中旬まで誘殺数は少ない。7月下旬以降は急増して、8月中旬に誘殺が最多となり、その後減少し、9月以降に終息する(図1)。
  2. 性フェロモントラップにおける誘殺消長と誘殺盛期は、乾式予察灯(60W白熱灯)とほぼ同様に推移する(図1)。
  3. 本種の被害を抑制するための本田防除適期は、性フェロモントラップにおける8月中旬の最多誘殺日から10日までの間である(表1、表2、表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本性フェロモントラップは発生予察に活用できる。
  2. 性フェロモンは、平成21年度から販売される予定である。
  3. トラップの種類は粘着トラップ(SE型)で、畦畔の地上約50cmの高さに設置する。性フェロモンの交換は1ヶ月毎に実施する。なお、誘殺数の調査および粘着板の交換は通常は7日毎、8月は誘殺数が多く粘着面全面に本種が付着し、誘殺効率が低下する場合があるため2日毎に行う。
  4. 本防除適期以外の時期においても、イネに幼虫の発生が多く見られる場合は、すみやかに本田防除を実施する。
図表1 223667-1.jpg
図表2 223667-2.jpg
図表3 223667-3.jpg
図表4 223667-4.jpg
カテゴリ 病害虫 水稲 性フェロモン 防除

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