タイトル |
国内にはラプラタリンゴガイとスクミリンゴガイが生息する |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2008 |
要約 |
国内に生息するリンゴガイは大部分がスクミリンゴガイであるが、一部地域にはラプラタリンゴガイも生息する。両種はマルチプレックスPCRにより簡易に識別できる。
|
キーワード |
スクミリンゴガイ、ラプラタリンゴガイ、ミトコンドリアDNA、マルチプレックスPCR
|
背景・ねらい |
南米原産であるリンゴガイ科Pomacea属の貝類は1980年代に主として台湾を経由して日本に導入され、その後西日本を中心にイネの重要害貝となっている。Pomacea属の形態による分類は不明瞭な点が多かったが、近年、塩基配列情報に基づくPomacea属内の系統関係が明らかとなった。そこで、国内に生息するPomacea属の塩基配列情報を解析し、これまでスクミリンゴガイP.canaliculata 1種であるとされてきた国内のPomacea属の再検討を行う。さらに、複数の種の分布が確認された場合、それらの簡易識別法を開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- 国内の13地域に生息するPomacea属は、既知のPomacea属特異的プライマーを用いてミトコンドリアDNACOI領域(約710bp)の塩基配列を分析すると、概ね3つのクレード(遺伝的集団)に分かれる(図1)。
- 既知のPomacea属塩基配列との比較から、3つのクレードのうち2つはスクミリンゴガイ、残りの1つはラプラタリンゴガイP.insularumであると判定される。
- スクミリンゴガイ、ラプラタリンゴガイは形態による識別は困難であるが(図2)、マルチプレックスPCRにより識別できる(図3)。
- 多くの地域にはスクミリンゴガイのみが生息し、ラプラタリンゴガイは静岡県、広島県、石垣島、西表島の4地域で生息が確認されている(表1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- マルチプレックスPCRによる識別法の詳細は、発表論文を参照。
- 両種の生態及び被害については、今後、比較調査が必要である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
スクミリンゴガイ
りんご
|