タイトル |
水稲新品種候補系統「ふ系167号」の育成 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
「ふ系167号」は寒冷地北部で極早生に属する粳種である。耐冷性が極強、良質で、この熟期としては良食味である。平成7年度より青森県、群馬県及び長野県で奨励品種に採用される予定である。
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背景・ねらい |
寒冷地北部及びこれより以南の中山間地帯では、現在奨励している極早生品種の耐冷性が不十分なことと、良食味品種への指向が強まっていることから、極早生品種の作付が減少し、これらの地帯の稲作生産がより一層不安定なものとなっている。そのため、「ハツコガネ」より耐冷性が強く、品質・食味が優れた極早生品種の育成を目標に交配、選抜を進めてきた。
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成果の内容・特徴 |
- 「ふ系167号」は、1986年青森県農業試験場藤坂支場において「ゆきひかり」を母とし、「ハツコガネ」を父として交配し育成された。
- 「ふ系167号」は、出穂期、成熟期ともに「ハツコガネ」並の極早生に属する。
- 耐冷性は「ハツコガネ」、「ハマアサヒ」より明らかに強く“極強”である。
- 収量性は「ハツコガネ」よりやや劣るが、「ハマアサヒ」より多収である。
- いもち病抵抗性遺伝子はPi-a、Pi-k、Pi-taを有し、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも「ハツコガネ」並の“中”である。
- 外観品質は「ハツコガネ」よりまさり、食味も「ハツコガネ」、「ハマアサヒ」より優れる。
- 寒冷地北部及びこれより以南の中山間地の極早生品種栽培地帯に適応し、青森県、群馬県、長野県で奨励品種に採用される予定である。
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成果の活用面・留意点 |
- 初期の生育量がやや不足気味なので、健苗育成や本田の水管理に努め、初期育成の確保を図る。
- いもち病抵抗性は、葉いもち、穂いもちともに「ハツコガネ」並の“中”なので、基本防除を励行する。
- 耐冷性は“極強”であるが、低温時には深水潅漑で幼穂を保護する。
(表1)
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
水管理
良食味
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