タイトル |
アミラーゼ活性値を用いた低アミロ小麦の多点迅速検出法 |
担当機関 |
食品総合研究所 |
研究期間 |
1993~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
小麦の穂発芽により増加するα-アミラーゼ活性を測定して低アミロ小麦を簡易・迅速に検出する手分析条件を確立するとともに、測定の多点迅速化・自動化のためのオートアナライザーを用いた測定方法を開発した。
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背景・ねらい |
低アミロ小麦の混入は、二次加工適性の劣化をもたらし小麦の品質を低下させる。この低アミロ小麦の検出にはアミログラフを用いた測定が一般的であるが、迅速性及び機差に問題がある。そこで、α-アミラーゼ活性そのものによって低アミロ小麦を仕分けるための測定条件を確立するとともに、オートアナライザーによる測定の迅速化・自動化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 小麦粉のα-アミラーゼ活性は、小麦粉からα-アミラーゼを抽出し、オリゴ糖に色素を結合したBPNPG7(Blocked p-nitro phenyl malto heptaoside)に働かせて遊離してくる色素を410nmの吸光値で定量する。小麦粉からのα-アミラーゼの抽出の安定性は、小麦粉試料に酵素抽出液を加えて5分程度の振とうで十分である。反応時間と吸光値には直接関係が認められるが、穂発芽してα-アミラーゼ活性が高くなった小麦ではややばらつきが大きい。
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発芽処理した小麦のα-アミラーゼ活性とアミロ値との間には高い負の相関(r=-0.979)がみられた(図1)。BPNPG7を基質とした酵素法は、自然状態で生育した小麦にも適用でき、1時間当たり16点の測定ができる。
- 発芽の程度を段階的に調整した小麦で得た酵素活性からアミロ値を求める回帰式を作成して現地産小麦178点に適用したところ(図2)、活性が60mU未満でアミロ値300BU以下は認められなかったが、60~100mU/gで低アミロの恐れがあり、100mU/g以上では確実に低アミロであった(表1)。
- オートアナライザーの測定条件を検討して図3のフローダイアグラムを設定したところ、1時間当たり50点の測定ができた。オートアナライザー法による測定値と手分析法の間には高い相関が得られる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
ここでは、アミロ値を測定する必要上、小麦粉を試料としたが、全粒粉に適用することは可能である。乾燥施設へ持ち込まれた小麦のα-アミラーゼ活性を本方法で測定することにより低アミロ小麦の仕分けができる。本測定法はサンプラーの部分を交換すれば、アミロースの測定に使用しているオートアナライザーをそのまま使用することが可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
加工適性
乾燥
小麦
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