タイトル |
稲わら施用の強還元田水稲における育苗箱全量施肥の効果 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
水稲の育苗箱全量施肥により、稲わらがすき込まれた低湿重粘土の強還元田においても、施肥窒素が効率的に吸収されるため利用率が向上し、化成肥料を用いた全層施肥に比べて生育が安定するとともに省力化が可能になる。
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背景・ねらい |
稲わらがすき込まれる低湿重粘土水田では、湛水後の地温上昇により稲わらの分解が急速に進むため、土壌の異常還元や基肥窒素の有機化が起こり、水稲の初期生育が抑制され生育ムラを生じやすい。そこで、施肥効率の向上と生育の安定化をねらいにして、被覆尿素を苗と接触させて本田に持ち込む育苗箱全量施肥の適応効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 育苗箱全量施肥区の茎数は、生育初期から全層施肥区より多く推移し、穂数が増加する(図1、表3)。
- 生育中期における育苗箱全量施肥区の葉色は、全層施肥区に比べて濃く、その変動幅も小さい(表1)。
- 幼穂形成期における基肥窒素利用率は、全層施肥区25%に対して、育苗箱全量施肥区では45%と高く、土壌窒素吸収量も多い(表2)。
- 育苗箱全量施肥区では全層施肥区に比べて、穂数、総籾数が優り増収する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 透水性が低く土壌の還元が進みやすい細粒強グライ土水田での試験結果である。
- 本田での施肥作業を省略できることから、大区画水田や大規模農家では省力効果が高い。
- 本田への施肥窒素量は、慣行(基肥+追肥の合計窒素量)の6割程度を目安とする。箱当たりの施肥量は、本田の施肥窒素量と使用する箱数により決める。
- リン酸、カリは、天然供給の少ない土壌では、慣行量を施肥する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
省力化
水田
水稲
施肥
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