タイトル |
穂いもちの多発は米の食味の低下の一因となる |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
穂いもちの発病が多くなるに従い、米の食味は低下する。この食味の低下の原因として、本病の発病による登熟不良とこれによる米中の窒素含量の増加が考えられる。
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背景・ねらい |
いもち病によるイネの被害として既に減収と玄米の品質の劣化が報告されている。しかし、本病の発病が米の食味に及ぼす影響についてはまだ明らかにされていない。そこで、良食味品種ミネアサヒを用い、穂いもちの発病と米の食味との関係を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 薬剤散布の有無により穂いもちの発病程度の異なる区を作り、これらの区から得られた精玄米の食味を官能検査するとともに、それらの米の理化学的性質(全窒素含量、HON(Mg/(K・N))値、粘り値またはアミロース含量、水分含量)を近赤外分光分析計(NIR6500、ニレコ社製)で測定した。
- 穂いもちの発病により精玄米の千粒重は減少し(図1)、精玄米の千粒重の減少とともに米中の窒素含量は高まった(図2)。
- 官能検査では、穂いもちの発病程度が著しくなるに従い香り、うま味、粘り及び総合の食味評価が低くなり、本病の発病により米の食味は低下した(図3)。また、穂いもちの発病程度の増大とともに米中の窒素含量は高まる傾向があった。
- 以上のことから、穂いもちの発病による米の食味の低下は、本病の発病によるイネの登熟不良とこれによる米中の窒素含量の増加によるものと考えられた。
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成果の活用面・留意点 |
- 穂いもちが多発した圃場から得られた米でイネ品種・系統の食味を検定すると、食味の検定結果が悪くなるので注意する。
- 穂いもちの多発は良食味米生産の阻害要因となるので本病が多発しない様に管理する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
いもち病
品種
薬剤
良食味
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