年齢による野菜の嗜好とその動向

タイトル 年齢による野菜の嗜好とその動向
担当機関 農業研究センター
研究期間 1992~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  家計調査個票データを使用した分析から、野菜の消費形態を高齢高消費型と若齢・中年高消費型に分類した。また、10年間の間隔をおいた消費傾向の違いを検討した結果、若齢から高齢層にわたる広範な年齢階層で消費量が減少している品目(全年齢減少型)が多い中で、青年・中年層で減少している品目あるいは中高年で増加している品目などの特徴のある消費動向を見いだした。
背景・ねらい  食生活の多様化の進展に伴い、食品素材の消費ニーズと農産物特性との関係の解明が求められている。その一環として野菜の品目別消費動向を年齢階層別に把握し、将来の需要予測のための知見を提供する。
成果の内容・特徴
  1. 分析に使用したデータは、総務庁家計調査個票(磁気テープに収録)の1982年(延95,773世帯)と1991年(延95,715世帯)および1992年(延95,540世帯)の3年分である。
  2. それぞれの品目の年齢階層別消費量は、下記のモデルによりSAS(統計的データ解析システム)の重回帰分析を使用し推計した。
      Q=a1X1+a2X2+・・・・・+anXn
    ここで、Q : ある品種の世帯ごとの一か月間の購入数量(≒消費量)
    n : 年齢階層
    an : n年齢階層に属する者の一人当たり一か月間の消費量
    Xn : ある世帯でのn年齢階層に属する者の人数
  3. 年齢階層別に得られた消費量の推定値から野菜を分類することにより、主として日本の伝統的野菜が含まれる「高齢高消費型(図1)」と、洋風野菜の含まれる「若齢・中年高消費型(図2)」に分けられることがわかった。年により消費パターンに違いがみられなかったので、図1と図2には1992年の結果を示した。
     高齢高消費型・・・ねぎ、さといも、かぶ、さやまめ、なす、ほうれんそう、はくさい、ごぼう、きゅうり
     若齢・中年高消費型・・・キャベツ、レタス、もやし、ピーマン、ばれいしょ、たまねぎ
  4. 1982年と1991年および1992年のそれぞれについて推計した年齢層別消費量の比較から、品目別に野菜の消費動向を求めた。
     全年齢減少型(図3、図4)・・・キャベツ、ほうれんそう、はくさい、だいこん、にんじん、さやまめ、きゅうり、なす、ピーマン、トマト、さといも
     青年・中年減少型(図5)・・・ごぼう、ばれいしょ、たまねぎ、ねぎ、レタス、かぶ
     若齢減少・中高年増加型(図6)・・・もやし
成果の活用面・留意点  野菜の年齢階層別消費量および消費動向の特性についての知見が得られたので、この結果を活用し、将来の需要予測に役立てることができる。ただし、家庭内需要に限られていることに留意する必要がある。
図表1 223818-1.gif
図表2 223818-2.gif
図表3 223818-3.gif
図表4 223818-4.gif
図表5 223818-5.gif
図表6 223818-6.gif
カテゴリ かぶ キャベツ きゅうり ごぼう さといも だいこん たまねぎ トマト なす にんじん ねぎ はくさい ばれいしょ ピーマン 品種 ほうれんそう もやし レタス

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