タイトル | 良食味・いもち病抵抗性の水稲新品種候補系統「奥羽346号」 |
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担当機関 | 東北農業試験場 |
研究期間 | 1995~1995 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1995 |
要約 | 水稲「奥羽346号」は中長稈の中間型系統で、東北中南部では中生に属する粳種である。本系統は極良食味でいもち病抵抗性が強く、耐冷性、耐倒伏性、白葉枯病抵抗性も強い。千粒重はやや大きく多収で、宮城県で奨励品種に採用の予定である。 |
背景・ねらい | 東北地域では冷害と並んでいもち病が稲作における大きな生産阻害要因であり、耐冷性やいもち病抵抗性の強い良食味品種の育成が切望されてきた。最近になって耐冷性の極強い良食味品種が育成されるようになったが、いもち病に強い良食味品種は育成されていないため、良食味品種の栽培には徹底した薬剤防除が行われている。当研究室では耐冷性、多収性を加味しながら、いもち病抵抗性と良食味性を結びつけた品種の育成に努めてきた。 |
成果の内容・特徴 | ①「奥羽346号」は「中部47号」/「奥羽313号」の組合せから育成された、中長稈の中間型系統で、育成地では中生の晩に属する粳種である。 ②耐冷性は強で、耐倒伏性も強である。穂発芽性はやや難である。 ③いもち病真性抵抗性遺伝子Pi-a、Pi-iをもつと推定され、圃場抵抗性は葉いもちがやや強、穂いもちは強である。白葉枯病抵抗性もやや強である。 ④千粒重がやや大きいが、玄米品質は「ササニシキ」並の上下、食味は「あきたこまち」並の極良(上中)である。収量性は高く、多肥でとくに多収である。 ⑤本系統の特徴は、いもち病圃場抵抗性と良食味性が結びついていることと、いもち病以外にも冷害、倒伏、白葉枯病等種々の障害に強いことである。 ⑥宮城県では「サトホナミ」対象に奨励品種に採用の予定で、倒伏やいもち病の発生しやすい地帯での「ひとめぼれ」「ササニシキ」の一部も代替し、5000haの普及が見込まれる。 |
成果の活用面・留意点 | ①「奥羽346号」は東北地域中南部に適応する。 ②耐倒伏性は強いが、稈長が長いので、極端な多肥栽培は避ける。 ③登熟後期まで茎葉が鮮麗であるので、刈り取り適期を逸しないよう注意する。 ④高温登熟条件下では心白、背白などが発生し、品質が低下しやすい。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いもち病 新品種 水稲 多収性 抵抗性 抵抗性遺伝子 凍害 品種 防除 薬剤 良食味 |