タイトル |
良食の水稲新品種候補系統「東北150号」 |
担当機関 |
宮城県古川農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水稲「東北150号」は良質・良食味で宮城県では晩生の晩の系統である。宮城県において出穂期の分散による冷害回避及び刈り取り時期の拡大を目的に「ササニシキ」の一部に代えて奨励品種に採用される予定である。
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背景・ねらい |
宮城県では作付け品種が「ササニシキ」級の中生に集中し,冷害年には危険分散を図ることができないため生産が不安定になり,また成熟期の集中により適期刈り取りを困難にしていることから,冷害回避と刈取り期間の拡大のため,良質で食味の良好な晩生品種を育成しようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 「東北150号」は昭和60年に宮城県古川農業試験場において「東北137号」を母とし,「北陸122号」(後のキヌヒカリ)を父として交配し,その後代から育成した品種である。
- 「東北150号」の出穂・成熟期は「ササニシキ」より7日程度遅く,育成地では“晩生の晩"の粳種である。
- 稈長は「農林21号」,「ササニシキ」より短く“中",草型は“中間型"で,耐倒伏性は「農林21号」,「ササニシキ」より明らかに強く“やや強"で,収量性は「農林21号」,「ササニシキ」に優る。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pi-i型"と推定され,圃場抵抗性は葉いもちには“中",穂いもちには“やや強"である。
- 障害型耐冷性は「農林21号」並の“弱",穂発芽性は「農林21号」,「ササニシキ」並の“やや易"である。
- 玄米の外観品質は「ササニシキ」より良好で“上の中",食味も「ササニシキ」より優り,「ひとめぼれ」並みの“上の中"である。
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成果の活用面・留意点 |
- 寒冷地中南部の平坦地帯に適する。宮城県で「ササニシキ」の一部に代えて奨励品種に採用の予定であり,成熟期が遅いので刈り取り時期が分散し,適期刈り取りの促進に役立ち,良質・良食味米の安定生産が期待される。普及見込み面積は8,000haである。
- 晩生のため穂ばらみ期に低温に遭遇する確率は低くなるが,耐冷性は弱いので,危険期に低温が予想される場合は深水管理により幼穂の保温に努める。
- いもち病圃場抵抗性は葉いもちには中程度であり,適期防除に務める。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
凍害
品種
防除
水管理
良食味
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