タイトル |
高度耐干性・良食味陸稲新品種候補「関東糯168号」 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
陸稲「関東糯168号」は関東地方で中生の晩に属し,耐干性極強で,水稲糯品種並に餅食味極良の糯種である。茨城県では「ツクバハタモチ」,栃木県では「農林糯26号」,群馬県では「ナツハタモチ」に替えて普及を予定している。
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背景・ねらい |
干ばつ害は陸稲生産を不安定にする最大の要因であり,耐干性の向上は陸稲育種において最も重要な課題である。また,米菓原料米として外国産米に対抗するためには高品質の陸稲品種が望まれている。そのため,深根性の外国陸稲品種を育種素材に利用し,耐干性の向上と,品質食味の優れた陸稲品種の育成を目標に交配・選抜を進めてきた。
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成果の内容・特徴 |
- 「関東糯168号」は昭和54年に「農林糯4号」を母,深根性のインド在来陸稲品種「JC81」を父として交配した後,「農林糯4号」を2回戻し交雑し,耐干性,収量性や品質等の栽培特性を主眼に選抜を繰り返し,育成した。
- 「関東糯168号」は中生の晩の熟期で,土壌深層に豊富な根量をもち従来の陸稲品種よりも高度の耐干性を備えている。また,餅としての食味が従来の陸稲品種より格段に優れ,水稲糯品種並の良食味を備えている。
- 栽培特性として「関東糯168号」は耐倒伏性が「ツクバハタモチ」や「農林糯26号」より優れ,輪作作物として野菜跡の肥沃地にも適する。
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成果の活用面・留意点 |
- 「関東糯168号」は茨城県では「ツクバハタモチ」,栃木県では「農林糯26号」,群馬県では「ナツハタモチ」に替えて奨励品種に採用予定である。
- 倒伏性は「ツクバハタモチ」に勝るが,「ナツハタモチ」より劣るため,野菜跡の極肥沃地では施肥量を控えめにする。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
新品種
水稲
施肥
品種
陸稲
良食味
輪作
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