水稲の穂ばらみ期冷害に対するアブシジン酸(ABA)茎葉散布による冷害軽減効果

タイトル 水稲の穂ばらみ期冷害に対するアブシジン酸(ABA)茎葉散布による冷害軽減効果
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 水稲の幼穂形成期に、天然型アブシジン酸(ABA)100~200ppm水溶液を、茎葉に散布した結果、障害型冷害が軽減され、稔実歩合が高くなった。
成果の内容・特徴
  1. 処理濃度試験は、1/5000aポットで栽培した株を、耐冷性検定用水槽で出穂前25日から出穂期まで、水深約20cm、日平均水温19~22℃の冷水を掛け流して検定した。1993年は1、10、100ppm、1995年は100、200、1000ppmの濃度で、それぞれ出穂の22日前頃、14日前頃にポット当たり100㏄を茎葉に散布した。
    処理時期試験は、1994~95年の冬季に世代促進温室内で1/5000aポットで栽培した株を、短日による生育促進と20~25℃の温度管理で冷害にあわせて検討した。処理時期は出穂の39日、32日、25日、18日、11日前とし、100ppmの濃度でポット当たり50㏄を茎葉に散布した。
  2. 処理濃度試験では、100、200ppm処理で冷害が軽減し、稔実歩合が高く(図1)、また、1穂もみ数は100、200ppm処理で増加する区がみられた(表2)。
  3. 処理時期試験では、出穂前32日・25日処理で稔実歩合の向上がみられた。また、出穂前39日~25日の処理により稈長・穂長の促進がみられ、1穂もみ数は増加する傾向がみられた(表1)。
  4. 処理濃度1000ppmでは、穂と茎葉が淡褐色に変色し、稈長・穂長が短くなるなど生育への障害がみられた(表2)。また、処理時期試験では出穂前18日、11日処理で穂長が短く、1穂もみ数が少なくなり、発育不全穎花が増加するなど生育障害がみられた(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲の障害型冷害研究の資料となる。
  2. 冬季の世代促進温室栽培では障害型冷害の危険性があるが、ABA処理により冷害軽減が期待できる。3.1000ppmの高濃度処理や出穂前18日より遅い処理では、生育に障害がでるので注意を要す。
図表1 223860-1.gif
図表2 223860-2.gif
図表3 223860-3.gif
カテゴリ 温度管理 水稲 凍害

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