タイトル |
画像解析によるダイズ群落の植被率の計測と生育指標の面的評価法 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1993~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
ダイズ群落の植被率は空撮写真画像を解析することで簡便に測定できる。この植被率から葉面積指数(LAI)などの生育指標が推定できる。この手法をラジコンヘリによる空撮写真に適用すれば生育指標の圃場内変異が評価できる。
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背景・ねらい |
圃場内で斉一な生育を確保するためには、適時に適切な栽培管理を行うことが必要となる。これを支援するためには、広い範囲の作物の生育状況を簡便に計測・収集する技術を開発することが必要となる。そこで、空撮写真を画像解析することによって得られる植被率を用いて、ダイズ圃場内の生育変異を評価することを試みた。
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成果の内容・特徴 |
- クレーンにより撮影したダイズ圃場のカラー写真から植被率(植物体が土壌を被覆している割合)を推定するための画像解析手法を開発した(図1)。この手法では、画像を2値化して植物体の領域を抽出し、単位面積あたりに植物体の占める割合を算出して、植被率とする。
- この植被率は葉面積指数(LAI)と高い相関があり(図2)、葉面積指数の推定に適用できる。また、植被率は他の生育指標である主茎長、葉数とも高い相関があり(主茎長:調整済 R2=0.956、葉数:調整済 R2=0.967)、これらも同様に推定できる。
- この画像解析手法をラジコンヘリ等で空撮した写真に適用すれば、その圃場内における植被率の変異を推定するできる(図3)。これに植被率と生育指標との関係式を適用することによって、葉面積指数、主茎長、葉数の圃場内変異を評価することができる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- ラジコンヘリ等による低高度からの空撮技術と画像解析手法を組み合わせることによって、圃場内の生育の変異が簡便に評価できる。
- ダイズの生育管理に利用する場合、植被率が100%近くになる開花期までの生育診断技術として利用する。植被率が90%(葉面積指数4)以上になると推定精度は低下する。
- 生育指標を推定するには、植被率と生育指標の関係式をあらかじめ作っておく必要がある。
- 対象範囲に雲の影などがない晴天日で、影ができるだけ短い時間帯(午前10時頃から午後2時までの間)に撮影することが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
カラー
栽培技術
生育診断技術
大豆
評価法
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