ファジイ推論を用いた圃場の均一性の解析法

タイトル ファジイ推論を用いた圃場の均一性の解析法
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 ファジイ推論を用いて土壌肥沃度等の圃場の均一性を評価することにより、圃場の変動を簡便に推定することができ、また、視覚的に表現することができる。
背景・ねらい 大区画水田を対象とする圃場調査では圃場区画全体の平均値だけでなく部分的な不均一性についての情報が不可欠である。調査はなるべく省力的に行いうるようにできるだけ少ない標本数で済むことが望ましい。そこで、土壌調査を例にして、圃場全体の土壌肥沃度を簡便に評価するための方法として調査地点のデータをスムージングして圃場全体を視覚的に表す方法を開発する。大区画圃場の場合、まずグローバルな変動を把握し、さらに必要があればより詳細な調査を行うことが考えられる。グローバルな変動を把握する方法としては、標本数を小さくしたスムージング法が、さらに特定の部分をより詳細に調査したい場合は、その部分から多く標本を選んだスムージング法が適用できる。また、大区画を層別したり、傾斜の方向を見出したりするための方法として利用することができる。
成果の内容・特徴 大区画圃場の土壌肥沃度の変動は表1に示される。これらの圃場内の均一性を解析する手法は以下のとおりである。
  1. 縦、横がそれぞれA、Bメートルからなる矩形圃場からn個の調査点を選び、x,y座標を計る。その調査地点の土壌肥沃度の測定値をziとするとき、n組の値(xi,yi,zi)、i=1,...,nが入力すべきデータである。例の無機態リン酸の分布は図1に示すとおりである。図1は約1haの圃場から90点の調査点を選び分析を行った結果である。
  2. Bates ら(1985)のGCVPACKを使ってスムージングを行い、m組のデータ(xi,yi,zi)、i=1,...,mを出力する。結果のx,y座標は0&st;xi
  3. 市販のEXCEL等のグラフィックスソフトを用いて結果を等高線グラフ等に表す。図2に例を示す。
  4. 層別が必要な場合には等高線に添った分割をすることによって行う。また、傾斜の方向を決定するには、区画の各調査点の推定値を用いて縦方向及び横方向の傾斜の大きさd(軸の両端の差の平均)を計算する。dの絶対値の大きい方を傾斜の方向とする。これにより傾斜の大きい方向を縦か横のいずれかに決定する。
成果の活用面・留意点 調査地点の選びかたとしては外挿する部分が大きくなると正確な推定が保証されなくなるので、圃場全体をカバーするように選ぶことが大切である(表2)。ただし、等間隔に選ぶ必要はない。また、規則的に選ぶ必要もない。GCVPACKはFORTRANのソースコードとして提供されている。
図表1 223991-1.gif
図表2 223991-2.gif
図表3 223991-3.gif
図表4 223991-4.gif
カテゴリ 水田

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