タイトル |
耐冷・耐病・良質・良食味水稲新品種候補系統「東北152号」 |
担当機関 |
宮城県古川農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
水稲「東北152号」は葯培養で育成した系統であり,東北中南部では中生の晩に属する。耐倒伏性が強く,耐冷性が強,いもち病抵抗性が強,良質で良食味である。平成9年から宮城県,福島県で奨励品種に採用され,「ひとめぼれ」,「初星」,「チヨニシキ」の一部に代えて普及する。
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背景・ねらい |
東北地方中南部で作付されてきた「ササニシキ」,「ひとめぼれ」等の主力品種はいもち病に弱く,耐倒伏性も弱いので,これらの良食味品種の弱点を改善しようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲「東北152号」は昭和63年に宮城県古川農業試験場において,「チヨニシキ」を母とし,「東北143号」(後の「ひとめぼれ」)を父として交配し,その雑種第一代の葯培養により育成した系統である。
- 出穂期,成熟期は「ひとめぼれ」並で,育成地では“中生の晩"の粳種である。
- 稈長は「ひとめぼれ」よりやや短く“中",耐倒伏性は「ひとめぼれ」より明らかに強く“やや強",収量性は「ひとめぼれ」に優り「チヨニシキ」並である。
- いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pi-i型"と推定され,圃場抵抗性は葉いもちには“やや強",穂いもちには“強"である。障害型耐冷性は「ひとめぼれ」よりわずかに劣る“強"で,穂発芽性は“難"である。
- 玄米品質は「ひとめぼれ」並の“上の中",食味は「ひとめぼれ」に近い“上の中"である。
- 寒冷地中南部の平坦地帯に適する。宮城県で「ひとめぼれ」の一部に代えて,福島県では「初星」,「チヨニシキ」の一部に代えて奨励品種に採用の予定であり,普及見込み面積は各々4,000ha及び6,900haである。
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成果の活用面・留意点 |
- 「ひとめぼれ」等の対照品種に比べて穂数が少ないので,茎数及び穂数の確保に努める。
- 白葉枯病抵抗性が“やや弱"であり,常発地での栽培は避ける。
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図表1 |
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カテゴリ |
いもち病
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
良食味
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