タイトル |
陸稲の低蛋白質化に有効な葉色による選抜法 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
陸稲育種で玄米粗蛋白質含量の低い系統を得るには、出穂期における株最長稈の止葉の葉色による選抜が有効である。しかし、いもち病抵抗性や株の生育量の低下に注意して選抜する必要がある。
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背景・ねらい |
陸稲は水稲と比べて食味が劣り、需要が限定される原因となっている。陸稲の食味が劣る原因の一つに玄米の粗蛋白質含量が高いことがあり、陸稲の低蛋白質化により、良食味陸稲品種の育成が期待される。そこで玄米粗蛋白質含量の立毛簡易選抜法として葉色による選抜法を検討し、その効果と他形質への影響を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 陸稲は各止葉の葉色が水稲より大きくバラ付き、特に株内での穂揃いの悪さが、葉色の調査精度を低下させている。しかし、株の最長稈の止葉の葉色を測定することにより、水稲品種並の調査精度を得ることができた。(表1)
- 陸稲「石岡糯27号」と水稲「奥羽331号」との交雑F3集団において出穂期の止葉の葉色の淡い個体は濃い個体より、次世代系統の玄米粗蛋白質の含量が低く、葉色による低蛋白質化への効果が認められた。(表2)
- 葉色の淡い個体の選抜により、葉いもち抵抗性が低下し、株の生育量が減少する傾向があった。しかし、耐干性が低下する傾向は認められなかった。(表3)
- 葉色の淡い個体の選抜により、粳系統では苗立が悪くなったが、糯系統では選抜の影響が認められなかった。(図1)
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成果の活用面・留意点 |
- 陸稲の出穂時に止葉の葉色により玄米蛋白質含量を推定し、草型等の形質と合わせて立毛の状態で低蛋白質化の選抜を進めることが可能となった。
- 低蛋白質化の選抜によりいもち病抵抗性や生育量が低下する危険性がある。これらの形質に十分注意を払いながら系統選抜を進める必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
いもち病
水稲
抵抗性
ばら
品種
陸稲
良食味
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