タイトル |
疫病圃場抵抗性ばれいしょ新品種候補系統「根育29号」 |
担当機関 |
北海道立根釧農業試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1996 |
要約 |
ばれいしょ「根育29号」は疫病圃場抵抗性の極めて強い食用ばれいしょである。疫病無防除栽培においても茎葉の罹病はわずかであり、収量や品質の低下は非常に少ない。またジャガイモシストセンチュウ抵抗性である。平均一個重が小さいため中以上いも重は熟期の割に少ない。
|
背景・ねらい |
近年、消費者の食品の安全性への関心がますます高まっており、北海道においてもクリーン農業推進のための取り組みが行われている。ばれいしょ栽培において減農薬あるいは無農薬栽培を安定的に行うためには収量の低下や塊茎の腐敗をもたらす疫病を回避することが最も重要であり、疫病圃場抵抗性品種の育成が求められていた。
|
成果の内容・特徴 |
- 「根育29号」は昭和59年に疫病圃場抵抗性の多収性近縁種系統「S.tuberosum ssp.andigena(W553-4)」を母、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性の「R392-50」を父として交配し、以降選抜を重ねてきた系統である。
- 疫病圃場抵抗性が極めて強く、無防除栽培においても茎葉の罹病はわずかであり、収量やでん粉価の低下は少ない。(図1)
- 目が深く、皮色は淡赤で、肉色は淡黄の調理用品種である。(表1)
- ジャガイモシストセンチュウ抵抗性で、生理障害は少ない。(表2)
- 早晩性は「男爵薯」より遅く「農林1号」並の中の晩である。(表3)
- 上いも平均一個重は小さいが、上いも数は「男爵薯」および「農林1号」より多い。上いも重は「男爵薯」より多く、「農林1号」並に多収である。(表3)
|
成果の活用面・留意点 |
- 疫病の減農薬や無農薬栽培などが可能なクリーン農業用品種である。
- 普及対象地域は北海道一円である。
- 塊茎形成および肥大が遅いので、浴光催芽、早植えなど初期生育の確保に努める。
- 赤皮で緑化いもの識別が難しいので、収穫後は遮光シートで覆うなどの曝光対策をする。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
病害虫
くり
新品種
生理障害
多収性
抵抗性
抵抗性品種
農薬
ばれいしょ
品種
防除
|