タイトル |
暖地二期作向けのジャガイモシストセンチュウ抵抗性ばれいしょ新品種候補系統「西海26号」 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ばれいしょ「西海26号」は、早生で早期肥大性に優れ、いもの外観・食味が優れる暖地二期作向けの食用系統である。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有し、そうか病や葉巻病・Yモザイク病などのウイルス病にも強い。
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背景・ねらい |
暖地ばれいしょの主産地では、連作によるそうか病などの土壌病害やウイルス病が問題となっている。さらにジャガイモシストセンチュウ(パソタイプRo1)の発生が平成4年に確認され、汚染地域が拡大しつつある。本線虫は化学的・物理的に耐久性が高く薬剤による防除が困難であるため、抵抗性品種を汚染圃場で栽培し、土壌中の線虫密度を低下させることが防除対策の基幹となる。これらの病害虫に抵抗性を有し、いもの早期肥大性が優れる暖地二期作向け品種を開発することにより、地域経済の発展への寄与が期待できる。
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成果の内容・特徴 |
- 「西海26号」はアメリカ合衆国のジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種「アトランチック」を母、国際馬鈴薯センターの耐病性系統「P-7」を父とする交配に由来する。
- ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子(H1)を有する。
- 葉巻病に強く、そうか病やYモザイク病に対して「デジマ」並みもしくはやや強い。
- いもの二次生長や裂開が極めて少ない。
- いもの肥大始期は、春・秋作とも「デジマ」より早く、特に春作の早期肥大性に優れる。
- 熟性が早いため、春作では「デジマ」より澱粉価が高く食味が優れる。
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成果の活用面・留意点 |
- ジャガイモシストセンチュウ汚染圃場で栽培することにより、線虫密度を低下させることができる。
- 早生でいもが早期肥大性であるため早掘りで能力を発揮するが、収穫が遅れると春作では高温障害を受けやすく、粗皮になりやすいので適期収穫に留意する。
- 春作においてふく枝着生部から腐敗しやすいので、そうか病の発生程度を考慮しながら石灰質資材と完熟堆肥の施用を心がける。
- 青枯病に弱いので、秋作では早植えしない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
青枯れ病
害虫
高温対策
しそ
新品種
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
春作
ばれいしょ
品種
防除
薬剤
良食味
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