タイトル |
塊茎浸漬接種によるバレイショの青枯病抵抗性検定法 |
担当機関 |
長崎県総合農林試験場 |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
10の6乗~10の8乗cfu/mlに希釈した青枯病培養菌液に、1/2~1/4に切断して大きさを揃えたバレイショ塊茎を浸漬接種し、土壌消毒した圃場に植付けることで青枯病に対する品種の抵抗性検定を簡便、安定的に行うことができる。
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背景・ねらい |
青枯病は、Pseudomonas solanacearumによって引き起こされる暖地バレイショの主要病害である。本病に対する抵抗性の検定は汚染ほ場を用いて行われているが、ほ場の汚染程度や気象要因等の影響を受けやすく検定結果が年次によって変動することが多い。そこで、バレイショ塊茎切片に青枯病菌を人工接種した後に消毒土壌に植付けることにより、安定した発病を得ることができる簡便な検定法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- バレイショの青枯病抵抗性検定法として塊茎浸漬接種法を考案した。本法は、PS液体培地で28℃、48~72時間振とう培養した青枯病菌を殺菌水で10の6乗~10の8乗cfu/mlに調整し、大きさを揃えて切断(1/2切または1/4切)直後にバレイショ塊茎を約1分間浸漬・風乾後、土壌消毒した圃場に植付け、青枯病の発病程度を検定するものである。
- 塊茎浸漬接種では、接種菌濃度が10の6乗~10の8乗cfu/mlで青枯病の発病程度の品種間差を明瞭に表すことができる(表1)。
- 塊茎浸漬接種によると、汚染圃場を用いた検定法では検定が困難な9月下旬植えの場合でも、高率・安定的に発病させることが可能である(表2)。
- 本法により得たジャガイモ青枯病の発病程度の順位は、慣行法による抵抗性の強弱(品種登録時の特性値)とよく一致する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 汚染圃場が不要であるため各地で適用が可能である。特に、各地域で優占するレース、biovarに対する品種の検定に利用できる。
- 接種塊茎の植付けには無病またはクロルピクリンくん蒸剤等で土壌消毒した圃場が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
青枯れ病
抵抗性
抵抗性検定
土壌消毒
ばれいしょ
品種
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