ホソヘリカメムシ集合フェロモンの1成分による天敵卵寄生蜂の誘引

タイトル ホソヘリカメムシ集合フェロモンの1成分による天敵卵寄生蜂の誘引
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 ホソヘリカメムシ集合フェロモンの1成分である(E)-2-ヘキセニル(Z)-3-ヘキセノエートはホソヘリカメムシを誘引せず、天敵卵寄生蜂カメムシタマゴトビコバチだけをダイズ圃場に早期に誘引する。
背景・ねらい ホソヘリカメムシRiptortus clavatus雄成虫が放出する集合フェロモン(3物質の混合物)はカメムシ成・幼虫だけでなく、天敵である卵寄生蜂カメムシタマゴトビコバチOoencyrtus nezaraeも誘引する。本寄生蜂は寄主範囲が広く、ダイズを加害するカメムシ類の有力な天敵であることから、このフェロモンによる誘引性を利用したカメムシ類の防除法の開発を試みる。
成果の内容・特徴
  1. ホソヘリカメムシ集合フェロモン(混合物)が卵寄生蜂カメムシタマゴトビコバチだけでなくホソヘリカメムシも誘引するのに対し、集合フェロモンの1成分である(E)-2-ヘキセニル(Z)-3-ヘキセノエート(以下E2HZ3H)はホソヘリカメムシを誘引せず、本寄生蜂雌成虫のみを誘引する(表1)。
  2. 集合フェロモンまたはE2HZ3Hを処理した圃場では、通常のカメムシの飛来時期である夏ダイズの開花~莢伸長期(6月中旬)より前に本寄生蜂が誘引される(図1)。また、E2HZ3Hを処理した圃場では、ホソヘリカメムシは誘引されない(図2)。
  3. 以上の結果から、E2HZ3Hを処理することによりカメムシの飛来前に圃場にカメムシタマゴトビコバチだけを誘引することが可能である。
成果の活用面・留意点
  1. E2HZ3Hはカメムシを誘引することなく卵寄生蜂カメムシタマゴトビコバチだけを早期に誘引できることから、防除素材としての利用が期待できる。
  2. 圃場内のカメムシ類の卵に対するカメムシタマゴトビコバチの寄生率を高めるようなE2HZ3Hの処理方法について検討する必要がある。
図表1 224079-1.gif
図表2 224079-2.gif
図表3 224079-3.gif
カテゴリ 病害虫 カメムシ 大豆 フェロモン 防除

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