タイトル |
野菜用簡易移植機 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1994~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
腰掛け脚力移動式の移植車に作穴輪と転圧輪を付けると、キャベツセル成型苗を全自動移植機の1/2(1,300本/h)の能率で移植でき、そのコストパホーマンスは非常に高い。このときの心拍数は115bpmくらいで安定して推移しており、労働強度的にも実用の範囲内にあり、移植機の導入が難しい小規模農家の軽労化に役立つ。
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背景・ねらい |
野菜用全自動移植機の開発は野菜移植作業の飛躍的な省力化を可能にし、野菜作の機械化を大きく前進させる原動力となったが、その結果、乗用・複状型へと移植機の大型化・高能率化に目が向けられるようになり、機械コストの吸収が難しい小規模農家の省力化がとり残されようとしている。そこで、原動機を持たない簡易な移植機を試作し、小規模農家の省力化を進めるとともに、低コスト移植機の開発方向を明らかにしようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 試作した野菜用簡易移植機は(図1)、市販の腰掛け脚力移動式移植作業車(以下、移植車と記す)に作穴輪(図1-a:直径約30cmのゴム車輪の外周に8本の爪を埋込んだもの)と、転圧輪(図1-b:全自動移植機の転圧輪)とを付け加え、移植動作を苗の取出しと植穴への投入だけで済むように簡略化したもので、キャベツの他、レタス、ハクサイ等に幅広く利用できる。
- 試作野菜用簡易移植機によると、キャベツセル成型苗を毎時 1,300本の速度で植付けられ(表1)、移植車と比べると65%高能率化できた。そして、この作業能率は半自動移植機の65%、全自動移植機の48%に相当すると見積もられた。
- 作穴輪と転圧輪を付加したことにより、走行抵抗が体重75Kgの作業者で 7Kg(41%)増加したが(表2)、心拍数が115bpmくらいのところで推移していたことから(図2)、走行抵抗の増加は労働負荷に大きく影響するほどのものではないと判断された。
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成果の活用面・留意点 |
- 作業能率や心拍数は作業者や植付ける野菜の種類、季節、土壌条件等により変動する。
- 簡単な構造をしており、自作できる。
- 株間隔を変えるには作穴輪を交換する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機械化
キャベツ
軽労化
コスト
省力化
低コスト
はくさい
レタス
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