中山間地域活性化に対する市町村の考え方と有効な取り組み

タイトル 中山間地域活性化に対する市町村の考え方と有効な取り組み
担当機関 農業研究センター
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 活性化とは何か、市町村によってその考え方はことなる。全国の中山間市町村へのアンケート調査の結果から、市町村の考える活性化の目標と対策および活性化に有効な取り組みを整理した。また、農業振興による活性化の具体的内容を把握した。
背景・ねらい 中山間地域の活性化とは何か、市町村によってその考え方がことなり、また、現実に中山間地域の活性化のために各種施策を講じている国・県でもその答えは必ずしも明確ではない。そこで全国の中山間市町村に対して実施したアンケート調査(回答市町村数1,250)から活性化に対する考え方を分析するとともに、これまでに実施された市町村の施策や住民自らが行った活動などで、現実に活性化に有効であった取り組みについて調査し、市町村の考える「活性化」を概念的に集約した。
成果の内容・特徴
  1. 活性化に対する市町村の考え方
    「活性化とは何か」という問いに対する意見をキーワード化し分類した(表1)。市町村の考え方は抽象的な目標(理念)型と具体的な対策(手段)型に分かれ、理念型の市町村が16%存在した。これの事例として「一人一人が生活意識の中で心のゆとりと豊かさを実感できること」がある。一方、手段型について全国で考えの多い順番に示すと、定住環境整備、若者の定住、農業振興、産業振興とつづく。これらを総合すると活性化の目標は「生活環境や社会福祉、教育、文化等のレベルアップを図り、精神的、物理的に人々が地域に定着できる条件を備えること」となる。そのための対策としては「地域内産業を振興して就業の場を確保し、所得の向上を図ることが何よりも重要である。このことによって若者が地域に残り、バランスの取れた定住人口が確保され、また、市町村財政が健全化され地域に応じた独自の施策展開が可能となる」と整理できる。
  2. 活性化を図るうえで有効であった取り組み
    イベントや農産物等の直売、グリーンツーリズム、姉妹都市提携、山村留学等の「都市と農村との交流」はU・J・Iターン者の増加や地域や農業生産活動そのものが持つ国土・環境保全的な機能への国家的支援への理解者を増加させる等の効果を持っている。しかし、交流活動で市町村が一般的に期待している効果は、入り込み客による観光収入等の増加であり、有効であった取り組みの40%がイベントを第1として観光開発、スキー場開発等であった(表2)。
  3. 農業振興による活性化の内容
    有効であった取り組みの2番目には農業振興が位置づけられている。具体的には、振興施策、直売、農地整備、特産品開発、施設整備とつづく(表3)。振興施策は具体的には市町村における単独事業が最も多く、農産物加工に対する助成や酪農ヘルパー制度、雨よけハウス助成、小規模基盤整備など補助事業で拾えないきめ細かな支援があげられている。したがって、国・県における施策も個々の地域の自然・社会的条件に応じたものとする努力が必要である。
成果の活用面・留意点 国・県・市町村等が中山間地域の活性化施策を具体的に講じる場合の参考資料となる。
図表1 224165-1.gif
図表2 224165-2.gif
図表3 224165-3.gif
カテゴリ 加工 中山間地域 乳牛

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