タイトル |
オオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子(ym4,Ym2)と裸性遺伝子(n)の連鎖関係 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
オオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子ym4は裸性遺伝子nと15.5の連鎖距離と推定される。また、ym4とYm2は独立に遺伝することがわかり、Ym2とnの連鎖距離が31.4という既知のデータから、これら3遺伝子はYm2-n-ym4の順で座位すると推定する。
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背景・ねらい |
大麦の重要病害であるオオムギ縞萎縮病(BaYMV)は、病原ウイルスの系統分化が認められ、これまでにⅠ、ⅡおよびⅢ型が報告された。当研究室では大麦品種「徳島モチ裸」にオオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子(ym4)が存在することを見い出し、この遺伝子を単独に持つ縞系4、縞系5および縞系6を育成した。これらは現在確認されているすべての縞萎縮病ウイルス圃場で抵抗性を示した。この遺伝子は第1染色体上に座乗し、裸性遺伝子(n)と連鎖していることが確認されていた。そこで、この連鎖距離を求めると共に、既知のYm2とym4の連鎖距離を求めた。
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成果の内容・特徴 |
- 目視観察では主として麦類萎縮病による誤判定と考えられる抵抗性形質の分離異常が観察された(表1)。
- ym4とnの連鎖距離はELISA判定に基づいて15.5と推定した(表1、図1)。
- 「徳島モチ裸」と「御堀裸3号」を交配したF3の調査の結果から、ym4とYm2は独立に遺伝すると推定した(表2)。
- Ym2とnの組換価が31.4(高橋ら 1970)であることから、これらの3遺伝子はYm2-n-ym4の順に座位すると推定した(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- ym4およびYm2の重複抵抗性系統を作出する時の遺伝情報として活用する。
- ym4は裸性と連鎖しているためym4をもつ皮性の系統を作出する時は組換え型を選抜する必要がある。
- ELISAによる判定と目視観察による判定では数%程の組換価の差が認められ、系統を選抜する時には考慮する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
萎縮病
大麦
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
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