イベントの内容と中山間地域の活性化に果たす期待効果

タイトル イベントの内容と中山間地域の活性化に果たす期待効果
担当機関 農業研究センター
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 イベントの内容で最も多いのは農産物利用である。主催者は大部分が複数で市町村が57%に関与しており,開催収支の赤字部分を補助している。参加者に占める村外者の割合はイベントの内容によって異なり,景観資源や伝統芸能,農産物利用では70%を超える。最も期待されている効果は,地域への愛着心の啓発である。
背景・ねらい イベントは中山間地域への入り込み客を増加させ,また,地域住民の活力を向上させる効果をもっていると考えられているが,この効果が定量的に把握されているとは言い難い。そこで,アンケート調査(平成6年12月実施,回収市町村数1,250,回収率75%)結果を開催内容,主催者,運営資金の調達方法,開催収支,参加対象者,参加者数,市町村の期待する効果等について,4,017件のイベントを分析する。
成果の内容・特徴
  1. イベントの内容
    イベントの71%が地域の年中行事となっている。内容で最も多いのは農産物利用であり,これをメインとしないイベントにおいても飲食や直売はイベントを盛り上げる効果をもっている(図1)。
  2. イベントの主催者
    多くは主催者が複数である。市町村が57%で最も多く,次いで観光協会(34%),集落組織(16%),農林漁業団体(15%),保存会(11%),神社・寺(5%)となっている。
  3. 運営資金調達方法
    主催者別にみると,神社・寺を主催者とするもの以外はいずれも市町村補助の比率が高く,特に観光協会と農林漁業団体の主催するイベントでは70%が補助を受けている。また,活性化している市町村は企業等の寄付と独自財源の比率が高いのに対し,活性化していない市町村は市町村補助や市町村全額負担,物品売上収入の比率が高く,企業の寄付の比率が低い(図2)。
  4. 開催収支
    支出に対する収入割合は47%であり,市町村が補助せざるを得ないのが実態である。
  5. イベントへの参加対象者と参加者数
    村民を対象としたものが57%(複数回答)で最も多く,次いで不特定都市の住民(54%),地域住民(49%),広域市町村圏(33%),県民(22%)となる。イベント当たりの参加者数は8,300人で村外からの参加率は68%である。また,市町村の活性化度との関係でみると,最も活性化している市町村では、14,000人で村外者参加率は69%であるのに対し,最も活性化していない市町村では、3,600人で75%となっている。イベント内容別に参加者数をみると,伝統芸能を含むものが多く,スポーツ大会が少ない。また,村外者参加率が高いのは景観資源活用(79%)と伝統芸能(72%),農産物利用(70%)である(図3)。
  6. 市町村がイベントに期待する効果
    活性化度との関係でみると,最も活性化している市町村では地域への愛情啓発と人づくりといった地域づくりに期待があり,都市との交流や特産品売上向上への期待は比較的低い(図4)。一方,最も活性化していない市町村では,都市との交流,入り込み客の確保,特産物売上向上,伝統の継承等,イベントの開催によってその効果が人口増加や所得向上に直接的に現れることを期待している。
成果の活用面・留意点 国や自治体等が地域活性化対策を講じる際の参考資料となる。
図表1 224224-1.gif
図表2 224224-2.gif
図表3 224224-3.gif
図表4 224224-4.gif
カテゴリ 中山間地域

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