水田雑草コナギの開花・生育への日長と水温の影響にみられる産地間差異

タイトル 水田雑草コナギの開花・生育への日長と水温の影響にみられる産地間差異
担当機関 農業研究センター
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 コナギは14.0および13.5時間の日長では、開花までに要する日数は産地間で顕著な差が認められる。13.0時間日長では、産地間差はなくなる。また、水温17℃では花芽形成率は低いが、18℃では花芽形成率は高まり北方の産地のものほど形成率は高い。コナギの線形葉の葉齢進展速度は、日平均水温と直線回帰で表され、産地間差はない。
背景・ねらい コナギは、全国の水田に分布し除草管理をおろそかにすると水田一面に広がるほどの繁殖力を示す。コナギは土壌中での種子の寿命が長く、発生が長期にわたるため、その種子生産特性の解明が求められている。花芽形成や開花の特性は、これらの種子生産特性に大きく関与するが、未解明な部分が多い。また、除草剤処理時期にあたる幼植物の生育についての地域間差は十分に知られていない。そこで制御の基礎的知見を得るために、日長条件と水温条件の違いがコナギの幼植物の生長と花芽形成および開花におよぼす影響の産地間差異を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 27℃の気温条件下では、14.5時間の日長では開花しないことからコナギの花芽形成の限界日長は14.5~14.0時間の間にある。14.0および13.5時間日長では、開花までに要する日数は産地間で顕著に異なるが、13.0時間日長では産地間差は小さくなる(表1)。
    自然日長下(試験開始日:6月16日)で、30-25℃と23-18℃の変水温条件では全ての個体が開花し、17-12℃では全て開花しない。また、13時間日長下で、17℃の定水温条件下では全ての産地で花芽形成率は低いが、18℃では花芽形成が行われ、北方の産地のものほど形成率は高まる傾向がある(表2)。
  2. コナギの線形葉の葉齢進展速度は、変温条件とその平均値に相当する定温条件で大きく変わらない。葉齢進展速度は日平均水温と直線回帰式で表され、産地間に有意な差はない(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. コナギの産地間での変異を解析する上での資料として活用される。
  2. 成植物の生長と水温および気温の影響については、さらに検討する必要がある。
図表1 224232-1.gif
図表2 224232-2.gif
図表3 224232-3.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 除草 除草剤 水田 繁殖性改善

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