直播栽培向きの水稲新品種候補系統「関東188号」

タイトル 直播栽培向きの水稲新品種候補系統「関東188号」
担当機関 農業研究センター
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 水稲「関東188号」は,「ヒノヒカリ」と「稲系517(アケノホシ/月の光)」の交配から育成された,直播栽培向きの多収系統である。出穂期は「朝の光」並の中生に属し,やや短稈・穂重型の草型で,密播条件となる直播栽培に適する。いもち病抵抗性が強い。
背景・ねらい 米の自由化に備えて稲作に国際競争力を付与し,稲作の担い手の急激な減少に対応するため,直播栽培など低コスト・省力栽培の普及が緊急の課題である。しかしながら,直播栽培は,その生産の不安定性から栽培面積が停滞しているのが実状である。その不安定要因の一つは,移植栽培並の収量性を持つ直播栽培向き品種が少ないことであり,直播栽培に適する安定・多収品種を早急に育成する必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 水稲「関東188号」は,「ヒノヒカリ」と「稲系517(アケノホシ/月の光)」の交配から育成された粳種である。出穂期は「朝の光」並の中生に属する。
  2. やや短稈で穂重型の草型を持ち,粒着密度が高く一穂粒数が多いため,移植栽培,直播栽培とも多収である。
  3. 食味は「朝の光」「日本晴」に優る上の下であり,移植栽培では強稈で耐倒伏性が強く,いもち病に強いため,低コスト化が図れる。
  4. 直播栽培での収量は,移植栽培における標準品種並である。これは,本系統が穂重型で,密播で穂数が多くなる条件でも比較的穂が大きく,多収となるためである。
成果の活用面・留意点
  1. 直播栽培の普及には,直播適性品種の育成が必要である。本系統は,直播栽培において標準品種の移植栽培並の収量性を有するので,直播栽培普及のための先導的品種として期待できる。
  2. 縞葉枯病に罹病性であるため,発病地帯での栽培は避ける。
  3. 耐転び型倒伏性は「朝の光」「キヌヒカリ」並であるため,表面散播栽培では落水等の水管理に留意する。
図表1 224291-1.gif
カテゴリ いもち病 直播栽培 縞葉枯病 新品種 水稲 抵抗性 低コスト 品種 水管理 良食味

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