タイトル |
搗精度評価性能向上のために改良したニュ-MG試薬染色法 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
精米時の糠層の剥離程度を評価するニュ-MG試薬染色法の工程のうち染色前の水洗を軽く行い、試薬とメチルアルコールの混合比を下げ、染色試料の洗浄液を水からアルコールに変えれば、糠層剥離の微妙な差の評価が可能となる。
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背景・ねらい |
精米工程では果皮、種皮と糊粉層、胚芽の大部分、いわゆる糠層が除去され、精米が進むにつれて米の重量減少と白度が増加する。精米の程度はこれら精白率(搗精歩合)と白度によって評価できるが、精米機の種類、性能や精米法によって同じ精白率であっても白度が違ったり、白度が同じでも精白率が違うことがある。この差は砕米率や糠層の剥離状況に起因すると考えられるが、糠層の剥離程度を評価する方法として従来からニュ-MG試薬による染色法が考案され、実施されてきた。この試薬は果皮、種皮部を緑色に、糊粉層を青色に、胚乳部をピンク色に染色する。しかしこの方法では糠層剥離の微妙な差を評価するには十分ではなく、染色法を一部改良することによって評価精度を向上させる。
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成果の内容・特徴 |
- 食糧庁標準計測法に定められている方法は図1の通りである。糠層の微妙な剥離程度を評価するためには図1の工程中(A)、(B)、(C)の改良が必要である。(A)のニュ-MG原液とメチルアルコールの混合比が1:3では試薬の濃度が薄すぎ、呈色の差が小さいため、混合比を1:0~1:1にする。
- (B)は2~3回水洗することによって残存糠層が洗い流され、精白米表面の状態が正確に評価できないため、試料を水に浸す程度にして直ちに水を切る方法に変える。
- (C)の水洗法では米粒にひびを生じたり呈色の差が小さくなり、しかも経時変化が大きいためメチルアルコールによる洗浄に変更する。
- 以上のことから、微妙な糠層の剥離程度の評価のためには、図2のように染色前に試料を1回水に浸し、ニュ-MG原液とメチルアルコールの混合比1:0~1:1の試薬によって2分間染色し、染色後に3~5回アルコール洗浄すると良い。本改良法によると従来法と比較して評価精度が大幅に向上する。(図3、図4)
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成果の活用面・留意点 |
精米の程度を白度、精白率で評価する場合に改良したニュ-MG試薬染色法を併用すると、糠層の剥離が正確に評価できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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