タイトル |
早生、多収で滑らかな食感をもつ日本麺用小麦新品種「あやひかり」 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
小麦「あやひかり」は、早生で縞萎縮病耐性をもつ、耐倒伏性に優れた大粒の多収品種である。製粉性に優れ、麺の色相はやや劣るが、低アミロース含量で麺の食感が良い。埼玉県で準奨励品種として採用。
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背景・ねらい |
平成2年に育成した「バンドウワセ」は「農林61号」に比べて早熟で、耐倒伏性があり1割程度増収する作りやすい品種で、農家の作付要望が高い。しかし、実需者からは、製粉性、粉色・麺色は良好であるものの、作付地域の拡大によって、産地による品質(とくに、食感)のばらつきが大きくなっている。このため、「バンドウワセ」に替わる、麺の食感のよい高品質・早熟・安定多収品種の開発が急務となっている。また、実需者の評価が比較的高い「農林61号」は小麦縞萎縮病汚染地帯での栽培ができないため、作付面積の維持・拡大には耐病性品種が必要である。そこで、「農林61号」より早熟で小麦縞萎縮病に耐病性であり、製粉性、麺の食感が優れた安定多収品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
「あやひかり(=関東119号)」は、昭和62年度、農業研究センターにおいて、麺の食感に優れた「関東107号」を母、極早生の「西海168号」を父として、人工交配し、その後代から育成した系統である。平成11年度の世代はF12である。「農林61号」と比較して、次のような特徴をもつ。
- 播性は「Ⅰ~Ⅱ」で、出穂期、成熟期ともに3日程度早い。2.稈長はやや短く、倒伏に強い。3.白ふで、穂数は少ないが、穂長はやや長い。4.穂発芽性は「難」で、縞萎縮病、赤さび病に強い。うどんこ病にはやや弱いが、赤かび病に同程度である。5.収量性は高く、多収である。6.リットル重、千粒重ともに大きい。大粒で外観品質はやや良である。7.製粉性は優る。8.粉の白さ、明るさはともにやや低い。9.アミロース含量は低い。アミログラムの最高粘度は高く、ブレークダウンは大きい。10.製麺適性は、麺の色相がやや劣るが、粘弾性、なめらかさに優り、総合的には優る。
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成果の活用面・留意点 |
- 温暖地東部の平坦地に適応する。
- 埼玉県では、平成12年秋播きから準奨励品種として普及に移す。
- 麺の色相の低下を招かないよう肥培管理に努める。
- うどんこ病にやや弱いので、適期防除に努める。
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カテゴリ |
病害虫
萎縮病
うどんこ病
小麦
新品種
耐病性品種
肥培管理
品種
防除
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