タイトル |
簡易埋設型ライシメーターによる砂地ハウスからの窒素溶脱量の推定 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
かん水量の多い砂地ハウスのマルチ栽培では、バケットの側壁の高さを24cm以上とした安価な簡易埋設型ライシメーターにより、浸透水の9割以上が採取でき、窒素溶脱量の推定が可能である。
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背景・ねらい |
砂地ハウスでは施肥量、かん水量が多く、溶脱した肥料成分が地下水への負荷源となることが懸念される。そこで地中に埋め込み、浸透水を採取することのできる埋設型ライシメーターの試作、検定を行い、窒素溶脱量の把握手法の確立を目指す。
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成果の内容・特徴 |
- 市販のポリコンテナを加工して、浸透水貯留タンク、バケット、採水、大気解放チューブなどからなる簡易埋設型ライシメーターを開発した。浸透水貯留タンクとバケットはステンレス網と寒冷紗で仕切られ、ステンレス網はタンク中にある支柱に支えられている。採水はチューブから吸引して行う(図1)。なお、バケット内への土壌の充填は圧密しないように行う。
- バケットの側壁の高さを24,48,72cmとした簡易ライシメーターをガラス室内に埋設し、かん水と採水を繰り返し行った結果、いずれの場合も採水量はバケット上端を地表面に出した対照の9割以上となり、バケットの側壁の高さは24cm以上あれば対照と同等の浸透水量の採取が可能である(表1)。
- メロンのうねの直下に2基並べて埋設した簡易埋設型ライシメーターによれば、メロン栽培期間では21.9kg/10a、メロン跡のかん水除塩では2.8kg/10aの窒素が溶脱する。一日あたりの溶脱量はかん水除塩中の方が栽培期間中より多い(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 砂地ハウスのマルチ栽培における窒素溶脱量の把握に活用する。
- モニタリングはライシメーターの埋設後、8~12ヶ月の間に行った。
- メロン栽培期間中、深さ15cmの土壌は生育後半を除き、pF1.5以下の多湿状態であった。
- モニタリング中の地下水面は地表面下1.8~2.8m、ハウス土壌の粒径組成は粗砂が74%、細砂が24%であった。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
加工
施肥
メロン
モニタリング
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