タイトル |
青果物の低コストCA貯蔵装置の開発 |
担当機関 |
野菜・茶業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
分子フルイあるいはガス分離膜を使用して、各種青果物のCA貯蔵に適した低酸素空気を発生する装置を開発し、プレハブ冷蔵庫、酸素・二酸化炭素センサ、環境気体制御プログラムで構成する実用規模の低コストCA貯蔵装置を開発した。
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背景・ねらい |
実用化に向けて、規模の拡大、完全自動化、一層の低コスト化の研究を進めてきた修整空気システムCA(MASCA)貯蔵が完成し、長期貯蔵、現地実証試験、運転経費の試算、鮮度保持効果の評価を終え、野菜への適用も可能な低コストCA貯蔵装置として確立した。
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成果の内容・特徴 |
- 0.5~20%の範囲で、任意の濃度の低酸素空気(修整空気)を発生する装置(分子フルイ方式とガス分離膜方式の2種類の修整空気発生装置)を開発し、プレハブ冷蔵庫と酸素・二酸化炭素センサを用いてCA貯蔵庫を構成した(図1)。また、環境気体を所定の濃度範囲に維持するシーケンスプログラムを開発した。
- 本CA貯蔵装置(MASCA; Modified Air System CA)により、青ウメ、シイタケ、ブロッコリー、キャベツの貯蔵試験を実施し、貯蔵庫内の急速な酸素低減及び自動環境気体制御が達成されること(図2)、操作が容易で特別な知識を必要としないこと、並びに高い鮮度保持効果を確認した(図3)。
- 従来のCA貯蔵装置に比べ、構造が単純なため故障が少なく、設備費、運転経費が安く、燃料等消耗品の補給・管理が不要で、既存のプレハブ冷蔵庫が使用できる等、低コスト化を達成できた。また、貯蔵品目に対する汎用性が高いので利用率が高く、電源があれば設置場所に制限がない。なお、キャベツの貯蔵に要する運転経費(減価償却費を除く、環境気体制御に関わる費用)は、0.05円/kg/日(電力料金を20円/Kwhで試算)である。
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成果の活用面・留意点 |
- 果物、野菜の貯蔵、出荷調整などに利用できる。
- 二酸化炭素供給装置は装備していないので、貯蔵初期の二酸化炭素濃度は低いが、低酸素条件で十分鮮度保持効果があることを、多くの野菜について確認済みである。
- ガス分離膜方式は、分子フルイ方式に比べ、装置が単純、軽量で設備費は安いが、運転経費は1.8倍程度になる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
うめ
キャベツ
しいたけ
出荷調整
長期保存・貯蔵
低コスト
ブロッコリー
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