澱粉からのゲル・ゾル食品素材の開発

タイトル 澱粉からのゲル・ゾル食品素材の開発
担当機関 食品総合研究所
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  澱粉の特性を変換させ、ゾル、ゲル化する食品素材生産技術を開発した。各種澱粉に各種脂肪酸Naを澱粉に対して0.1%添加して加熱溶解することにより、透明な糊液となり、長期間の保存でも透明性が保持された。
背景・ねらい  最近、各種の水溶性多糖、特に藻類多糖は健康指向のゾル、ゲル化食品素材として注目され、その需要が増加している。しかし、その原料となる海藻資源は急激に減少しており、これに代わる食品素材の開発が強く求められてきた。そこで、原料として豊富にある、澱粉を生物化学的、物理化学的処理を施すことにより、その特性を変換させ、主として、ゾル、ゲル化する食品素材を生産する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 各種澱粉+各種脂肪酸Na系の透明性経時変化:コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ、米、甘藷、小麦、サゴの各澱粉3%にカプロン酸Na(C6)、カプリル酸Na(C8)、カプリン酸Na(C10)、ラウリル酸NA(C12)、ミリスチン酸Na(C14)、パルミチン酸Na(C16)、ステアリン酸Na(C18)、オレイン酸Na(C18:1)、リノール酸Na(C18:2)の各脂肪酸Na0.1%を加えた場合、表1のように、澱粉と脂肪酸Naの組合せにより透明性保持に差異が見られ、コーンの場合はラウリンとミリスチンで極めて高い透明度を維持でき、10日以上、4℃で放置しても70%以上の透過率を示した。
  2. コーンスターチ+ミリスチン酸Na系・添加量による透明性経時変化:コーンスターチ1, 2, 3%、ミリスチン酸Na 0~0.20%の範囲で検討した結果、表2のように、ミリスチン酸Na 0.10%以上では透過率は糊液調製直後と殆ど変わらず、糊液調製90日後でも、80%の透過率であった。0~0.10%までは添加量に比例してほぼ直線的に透過率が上昇し、0.15%以上では僅かづつではあるが経時的に透過率が減少して、添加量が増えるほど透過率が低くなった。
  3. コーンスターチ+脂肪酸+アルカリ系での透明性経時的変化:コーンスターチ3%、脂肪酸0.1%に0~20、25mMの重曹、炭酸ナトリウムを混合して10日放置した結果、表3のようにラウリル酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸に炭酸ナトリウム5mMを添加することにより10日放置後でも50%以上の透過率を示した。
成果の活用面・留意点  これらの成果から澱粉を用いて透明度の高いゾル、ゲル形態の食品を製造することができるが、食塩、味成分を添加すると、白濁・老化する傾向があるので、従来のゾル、ゲル素材を混合して、白濁・老化を抑制する必要がある。
図表1 224396-1.gif
図表2 224396-2.gif
図表3 224396-3.gif
カテゴリ 小麦

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