サトウキビワックスの機能成分オクタコサノールの含有量

タイトル サトウキビワックスの機能成分オクタコサノールの含有量
担当機関 食品総合研究所
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  サトウキビ外皮ワックスを分析し、普及品種では高級アルコールの大部分がオクタコサノールであること、ワックスの有機溶媒可溶部分は來雑物の少ない単純な組成であることを明らかにした。
背景・ねらい  サトウキビには蔗糖以外の有用成分も多く含まれており、サトウキビの付加価値向上と資源の有効利用の観点から、植物全体の総合利用技術の確立が待たれている。現在、製糖工場のフィルターケーキより回収されているオクタコサノール(C28H57OH)は、耐久力向上の効果があり、これを添加した飲料も市販されている。またライスワックス由来のオクタコサノールも健康食品として販売されている。本研究は、サトウキビのオクタコサノールの存在部位と高級アルコール組成の品種・系統間差を明らかにし、他成分との分離・効率的な回収方法の基礎資料を得ることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. サトウキビ15品種・系統の外皮およびワックスをそれぞれ茎から分離して、炭素数22から32の高級アルコール組成を調査した。ワックスの高級アルコール濃度は外皮の100倍以上であり、14種ではオクタコサノールが最も高く、在来種1種でヘキサコサノール(C26H53OH)が最高であった(表1)。
  2. ワックスの析出量とアルコール含量には大きな品種間差があった。今後の育種により析出量・オクタコサノール含量ともに優れた品種の作出が期待できる。なおソルガム1種の分析も行ったが、オクタコサノール含量はサトウキビより低かった。
  3. ワックスのNMR測定結果は、クロロホルム可溶部分の大部分が高級アルコールであることを示した(図1)。ワックスにはクロロホルムに不溶の成分もあった。また、1.の分析前処理のヘキサン抽出の段階でもヘキサン不溶成分が多い。したがって、低極性溶媒に可溶のワックス成分の大部分は高級アルコールと考えられた。
  4. オクタコサノールがワックスに存在することから回収という点では、サトウキビの最外表皮部を分離できるケーンセパレーションシステムが有用と考えられた。
成果の活用面・留意点  サトウキビの内実部を含む茎全体のヘキサン抽出物をGCMSで分析した結果は、ステロールと高級アルコールがほとんどである。ステロールはワックスにはほとんど認められず、茎の組織に含まれていると考えられる。これに今回の結果を加えると、ケーンセパレーションシステムとヘキサンなどの溶媒抽出を組み合わせれば、オクタコサノールの効率的な分離法になると考えられる。しかし、現行ではヘキサン抽出が認められているのは大豆のみである。
図表1 224408-1.gif
図表2 224408-2.gif
カテゴリ 育種 さとうきび ソルガム 大豆 品種

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