遺伝子を利用したカビ毒非産生菌と産生菌の識別法

タイトル 遺伝子を利用したカビ毒非産生菌と産生菌の識別法
研究期間 1991~1995
研究担当者 平成7年度(平成3年度~平成7年度)勝美
発行年度 1995
要約 アフラトキシン(AF)産生遺伝子のひとつである ver-1を検出可能なプローブS4-verF が開発された。本プローブとの交雑試験により ver-1 を保有しないAF
背景・ねらい 麹菌Aspergillus oryzas及びA. sojaeと、アフラトキシン(AF)産生菌A.
flavus 及びA.parasiticus は分類学上極めて近縁であると考えられている。しかし、我国では麹菌の利
用上これらの厳密な判別が必要とされている。近年Skoryらは、AF 産生に特異的
で必須の遺伝子の一つver-1をA. parasiticusから単離し、その塩基配列を初めて明らかにした。AF産生菌は必ずこのver-1
を保有するし、保有しない菌はAFを産生できないと考えられる。そこで、本研究
室別課題は、このver-1 又は相同なDNAの有無により、AF産生菌か否かを判別する方法の開発を目的と
して実施した。
成果の内容・特徴
  1.  S4-verFはver-1の蛋白質コーディング領域の74%の長さで、この領域の96.2
    %の塩基配列が 同一であった。
  2.  AF非産生菌のA. oryzasとA. sojae、AF産生菌のA. flavusとA.
    parasiticus各々2株について、その全DNA中 にS4-verFと交雑可能なDNAが検出された。交雑したDNAの塩基配列は、ver-1と93.5~98.9%の相同性を示したことから、これらはver-1相同DNAであること
    が明らかになった。
  3.  また、S4-verFは、ver-1相同DNA検出のためのプローブとして利用可能であることが明らかになった。
  4.  S4-verFをプローブとした交雑試験の結果、AF非産生菌のA. ooryzae48株中ver-1
    相同DNAを保有するもの40株、保有しないもの8株であった( 表)。
  5.  ver-1を保有しない菌はAFを産生できないと考えられる。よって、4-verFを用いて、ver-1相同DNAを保有しないAF非産生菌を識別することが可能になった。
成果の活用面・留意点 得られた成果は、麹菌株の多くが属するA. oryzas及びA. sojaeにとって、新しい知見であり、平成6年度及び7年度日本生物工学会大会で成
果を発表した。
図表1 224438-1.gif
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