| タイトル | 流出油の毒性予測 |
|---|---|
| 担当機関 | 化学環境部 |
| 研究期間 | 2001~2005 |
| 研究担当者 |
角埜 彰 |
| 発行年度 | 2007 |
| 背景・ねらい | ナホトカ号事故,ダイヤモンドグレース号事故等,日本近海で大規模な油類流出事故が過去に発生しました。我が国近海には多くのタンカーが航行しており,今後も大規模な油流出事故が起こる危険性が指摘されています。そこで,流出油の海産生物に対する有害性を明らかにするため,油の成分の中で毒性が強いことが知られている多環芳香族炭化水素化合物(PAH)の魚への影響を明らかにし,複合毒性のメカニズムを検討して,油に含まれるPAHの種類と量から油の毒性の推測を行いました。 |
| 成果の内容・特徴 | PAHの魚に対する毒性は油への溶けやすさと良い相関があり,油に溶け易いPAHほど毒性が強いということが明らかとなりました(図1)。次に油処理剤の有無による毒性の相違を調べた結果 油処理剤を加えた場合に毒性が強く表れ,これは油処理剤添加により魚体中PAH濃度が増大することが分かり生物への毒性の面からは油処理剤の使用には注意すべきことが明らかとなりました。さらに,PAHを組み合わせて複合的に作用させたときの毒性は相加的であり,油の毒性は各成分の毒性を足し算すれば推定できることが分かりました。そこで,A重油に含まれるPAHの種類と量(表1)からA重油の毒性を推測しました。PAHの毒性値の総和である毒性比の合計は108,761となり,これはA重油を約11万倍希釈しても96時間以内に半数の魚を死に至らしめる毒性があることを示しています(表1)。毒性比の合計からA重油の毒性値を計算すると9μL/Lとなり,予め求めたA重油の毒性値4.2μL/Lと比較すると,A重油の毒性の半分程度はPAHの組成及び濃度から推測可能であることが明らかとなりました。 将来的に石油類の流出事故が起こった際には,海産生物への有害性予測,油処理剤の使用の是非の判断等に本研究成果が活用されることが期待されます。 |
| 成果の活用面・留意点 | 将来的に石油類の流出事故が起こった際には,海産生物への有害性予測,油処理剤の使用の是非の判断等に本研究成果が活用されることが期待されます。 また,本研究成果は,油処理剤を使用する場合の留意点として流出事故に対応する専門家セミナー等で活用されています。 |
| 図表1 | 229987-1.pdf |
| カテゴリ |
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