卵白オボムコイドのT・B細胞エピトープ

タイトル 卵白オボムコイドのT・B細胞エピトープ
研究期間 1995~1997
研究担当者 栗崎純一
水町功子
辻 典子
発行年度 1995
要約 鶏卵アレルギーの主要原因タンパク質、オボムコイドについて、各種実験動物の抗体が結合するB細胞エピトープ及びマウス認識T細胞エピトープ領域を、合
背景・ねらい アレルギー原因タンパク質やT細胞及びB細胞(抗体結合)エピトープ情報は
、有効な抗原性低減化方法の開発や免疫応答機構の解析研究を遂行するにあたり
、前提となる基礎知見として不可欠である。しかし、研究手法及びコストの問題
から、主要な食物アレルゲンのエピトープに関する研究は、マウスをはじめとす
る各種実験動物を用いて、卵白アレルゲンタンパク質、オボムコイド(OM)のエ
ピトープを明らかにすることを目的とした。なお、OMは、従来有効な解析方法が
ない立体構造依存型のB細胞エピトープを持つと考えられてきたタンパク質であ
る。
成果の内容・特徴
  1.  抗OM抗体は、ヤギ5頭、ウサギ6羽、マウス近交系3系統、クローズドコロ
    ニー1系統から得た。また、抗OMモノクローナル抗体(MAb)17種を得た。これ
    ら抗体と、OM分子全域に亘り、1残基ずつずらして合成した長さ8残基の部分ペ
    プチド179種との反応性をELISAで解析した。一例としてウサギを用いた結果を
    図1 に示した。
  2.  得られたB細胞エピトープ領域のOM一次構造上の位置を 図2に示した。主要領域は、ヤギでは85・95残基目、ウサギ、マウスでは11-19 残基目であった。これらの結果により、OMでは従来認められていない一次構造依
    存型エピトープが存在することが明かになった。
  3.  一方、17種のMAbのうち4抗体のみが、11-20、85-95及び175-182残基目 に相当する部分ペプチドと反応したに過ぎなかった。残りは立体構造依存型エピ
    トープ結合性と推測され、OMの抗原構造における立体構造の重要性が改めて認識
    された。 4.OM分子全域に亘り、3残基ずつずらして合成した長さ15残基の部分
    ペプチド58種を用いて、OM特異的T細胞増殖刺激活性ペプチドを検索し、T細胞
    エピトープ領域を明かにした( 図3 )。主要領域は、C3H
    Heでは100-114残基目、BALB cでは100-114及び157-171 残基目、及びC57BL
    6では157-180(157-171 及び166-180)残基目であった ( 図4)。
成果の活用面・留意点 抵抗原性OMの分子設計や経口免疫寛容機構解析研究は、現状では実験動物系で
の基礎研究段階であるが、上記成果は、その基礎知見として不可欠である。また
、上記研究で用いた手法・材料は、ヒトIgE抗体レベルにあわせて超高感度化を
図ることにより、アレルギー患者血清を用いた研究にも応用可能である。
図表1 224441-1.gif
図表2 224441-2.gif
図表3 224441-3.gif
図表4 224441-4.gif
カテゴリ コスト 山羊

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